「尊敬する先輩が『みんな仲良しクラスは目指さない。人間、合う合わないがあって当たり前。子どもも気づいている。全員と仲良くなる必要はない。無理して一緒にいるのは友だちではない。目指すべきは、誰も傷つけないクラス。適切な人との距離感を教える。これなら実現できる』と言ってて共感しかない」

中学教員としてさまざまな生徒たちを見てきたのぶ@学校のもやもや代弁さん(@talk_Nobu、以下のぶさん)がつぶやいたクラスのあり方に共感が広がっています。

ゴールデンウィーク前は、クラスの雰囲気が出来上がってくる頃。そんななか、「仲良しでなくていい」という言葉に、「その先生一生付いてく」「この考え方なら、集団が苦手な子も生きやすくなる」「これを国家間でも実現したい」、また「小1の時の担任が言ってくれて、 助かりました」という声もありました。のぶさんに投稿した思いを伺いました。

「誰も傷つけない距離感で平和なクラスに」

−−「一番良いクラス運営」と言ったコメントもあります。

「4月は学級の人間関係づくりが重要です。新しいクラスでは、トラブルも起こりやすいですし、慣れない人間関係で、疲れてしまう子も。そんなときに大事なことは、担任が余裕をもって対応できるかどうか。無理やり“みんな仲良し”にしようとすると、必ず歪みが生まれて、後々トラブルにつながります。だから今この時期に、たくさんの人に伝えたいと思いました」

−−「みんな仲良く、に苦しむ子どもや大人は多い」など、仕事場での人間関係に当てはめる人もいました。

「担任の指導や人間関係について悩まれた経験がある方は多いんだなと改めて思いました。誰も傷つけない、適切な人との距離感が大切ですよね」

−−のぶさんも、悩みごとがあった時にこの言葉を聞いたのでしょうか?

「はい。教職2年目、初担任のときです。学級運営がうまくいかず、トラブルが絶えなかったんです。クラス内の人間関係のトラブルを尊敬していた先輩に相談していたときに言われて。以来、この言葉を忘れずにクラス運営を心がけました」

−−この言葉を知る以前と知った後では、クラス運営や人との付き合いに変化はありましたか?

「ありました!学級の人間関係づくりがうまくいくようになりましたね。教師自身が “全員が仲良くなるのは無理”だと認識していれば、指導にも余裕が生まれます。生徒たち全員を無理やり仲良くさせるのではなくて、人間関係を交通整理するイメージですね。そうすれば、新学期の4月にはトラブルが起こったとしても、徐々に減っていきます」

―−人との距離感には個人差があるため、「近すぎる」「冷たい」などの新たなトラブルも心配です。「正解がひとつとは限らない「適切な人との距離感」を小さい時から学んだり考えたりしなければ」という声もありました。

「おっしゃる通り、距離感は人それぞれです。だからこそトラブルが起こる生徒には、お互いの気持ちを伝えるように、と言います。気持ちは伝えないと分からないので。ただ子どもは語彙力がないので、“嫌い”などダイレクトな伝え方になることも。そこは、注意が必要です。間に教師が入って、代弁してあげる必要があります。

1回の指導やアドバイスでは、自分のものにできない生徒もいます。自分と考え方が違う人がいるのがクラスなんだ、と理解できるように、何度も向き合うのが教師の役目。相手との距離感や接し方を少しずつ学んでいくことで、トラブルを起こしていた生徒も落ち着きますし、トラブル自体減っていきます。学級の雰囲気も温かいものになります」

―−新学期になって、クラスに慣れる子もいますが、なんとなく居心地の悪さを感じる子も。のぶさんなら、そういう生徒にどういう声かけをしますか?

「これは難しいですね。その子によって、悩みが違うと思うので。ただ、言えることは「私困ってます」と信頼できる大人に相談して欲しい、ということ。きっと話を聞いてもらえるはずです」

今は教育関連の民間企業で働くのぶさんが教育現場のことをつぶやく理由は、保護者や子どもに現場のリアルを知ってほしいから。「理不尽な指導にはおかしいと反論できる知識をつけてほしいです。特にいじめ。絶対に被害者が悪くない、被害者家族は泣き寝入りする必要がない、ということは強調していきたい、いじめで苦しまなくていいように発信を続けていきます」。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)