1971年に千葉県千葉市で生まれ、今も千葉市に住んでいる私。京成電鉄といえば、千葉線がもっとも馴染み深い路線です。子どもの頃は、初代3000形の赤電や200形青電と呼ばれる電車が走っていましたね。後に赤一色になり、今は一部を除いて3500形更新車や3000形などのステンレス車両に統一されています。

2006年からは新京成線との直通運転が開始され、新京成線の電車も乗り入れるようになりました。

本線より先に開通した千葉線、その理由は?

京成電鉄は「京成」というくらいですから、東京と成田を結ぶ為に作られた鉄道です。しかし、全線開通は今の本線より千葉線の方が先でした。

そうなった理由は諸説ありますが、その中の一つが観光客目当てというもの。昭和30年代までは東京湾が今のように埋め立てられておらず、海岸線が続いていて、海水浴客や潮干狩りなどの観光客が多かったのです。それを当て込んで、本線よりも千葉線の方を早く開業させたとのこと。東京に住んでいる65歳以上の方は、一度は遠足などで千葉線沿いの海岸へ潮干狩りに来ていたとか。

そのせいか、駅名も現在の「みどり台駅」は「浜海岸駅」で、「西登戸駅」は「千葉海岸駅」と海にちなんだものでした。余談ですが、西登戸駅は日本難読駅名の一つに数えられています。読めますか?「にしのぶと」と読むんです。この西登戸駅や新千葉駅から海までは200mくらいしかありませんでした。

駅の改称の歴史

ちなみにみどり台駅は5回も改称しており、「浜海岸駅」から「帝大工学部前駅」「工学部前駅」「黒砂駅」、そして「みどり台駅」。現在はすぐ近くにZOZOの本社や10年近く建築中の前澤邸があるので、「ZOZO前駅」や「前澤邸前駅」などの改称があるとかないとか。

ややこしい改称もあります。実は今の「京成千葉駅」は、元は「国鉄千葉駅前駅」です。国鉄がJRになった1987年に「京成千葉駅」になり、元の「京成千葉駅」は「千葉中央駅」になりました。昔から住んでる人間からすると、未だにどっちが京成千葉駅だっけ?と考えてしまいます。もっとややこしいのが、昔の「京成千葉駅」は今の中央公園辺りにあったんです。私より年配の方はこちらの方が馴染みはあるかも。

電車が競争する4キロの直線!?

この京成千葉線の名物は、幕張駅から津田沼駅までの直線です。JRの幕張電車区があるため、4kmほどの直線が続きます。戦前は幕張本郷駅がなかったので、この直線で国鉄と京成の電車が競争をしていたとか。もっとも、「負けるな!」と競争意識を持っていたのは京成だけだったようですが。戦後は、会社として「競争するな」と諌めていたようです。それでも、中には競争する運転士がいたと聞きます。

京成幕張本郷駅が出来たのは、国鉄の幕張本郷駅が出来てから10年後の1991年。国鉄の幕張本郷駅が出来た頃は当然の事ながら、駅前は何もありません。それを見て京成は、駅を作る気はほぼなかったようです。

しかし、駅周辺が開発され、幕張新都心の開発も進み、京成電鉄は「これはまずい」と思ったのか、10年後に急に駅を作りました。沿線の方は嬉しかったでしょうね。現在の幕張本郷駅周辺に住んでる方は、駅が出来るまで京成本線の大久保駅まで行ってたとか。かなり遠いです。ちなみに千葉市内でも稲毛区や花見川区の北の方は、今でも千葉線より本線の八千代台駅などが最寄り駅になります。

京成沿線の名所「谷津遊園」

京成千葉線で忘れてはならないのが、我々世代の千葉市民の思い出の地「谷津遊園」です。谷津遊園はバラ園が有名で、私が幼稚園の時は毎年春秋2回遠足で行っていました。

夏はプール、冬はスケートリンクもありかなり賑わっていましたが、京成がディズニーランドに出資する為に泣く泣く売却され、閉園となってしまいました。余談ですが、谷津には読売巨人軍発祥の地の碑があります。近くにお立ちよりの際は探してみてくださいね。

あこがれの「スカイライナー」

千葉県、特に千葉市の運輸に多大なる貢献をしている京成千葉線ですが、ちょっと困ることがあります。それは、スカイライナーに乗りにくい点です。

成田市方面で仕事があると、取引先の方が気を遣ってスカイライナーのチケットを送ってくださります。乗りたいのは山々ですが、千葉線から乗り換えの津田沼駅に止まらないどころか、本線を通らないので泣く泣く返金となります。成田エクスプレスもそうでしたが、最近は千葉駅にも止まるようになりました。

そんな乗りたくても乗りにくいスカイライナーのAE形車両が、2019年のミステリーツアーと2021年の船橋―千葉間100周年ツアーで千葉線に入線しました。2021年の時は私も最寄り駅で待ち構えており、今までにない興奮を覚えました。鉄道好き以外には全く理解出来ないと思いますが。

より魅力的な千葉線へ

今は複々線化された総武線と海っ縁を走る京葉線に挟まれ、かなり肩身が狭くなった千葉線。京成の中では完全なローカル線扱いになっていますが、沿線住民にとってはJRより身近な存在です。

そうそう、京成電鉄は他にはない踏切の音があるのです。京成は上下両方から来る場合、どちらかが来た後、警報音が早くなるんですよ。それが京成だけと知ったのはつい最近のことでした。当たり前じゃなかったんですね。この警報音を耳にすると、ホッとします。

これからも京成電鉄は開発を続けるかと思いますが、他の路線にない千葉線のいい味を残して欲しいものです。