「掃除している人の手の動きが気になりすぎてダイバーと水槽の間に高確率で割り込んでくるミゾレ。視界わるいし、ミゾレに当たったら危ないし…やりにくいなぁ。そこでダイバーが思いついた策が…ミゾレを小脇に抱える」と、大阪の水族館「海遊館」が投稿した飼育員さんとワモンアザラシのミゾレによる独特の掃除風景の動画が話題に。

「こんなに癒されるお掃除シーンはなかなかない」とコメントが寄せられ、Twitterで5万以上のいいねがついています。

「お互いに器用」「可愛い割り込みを直で見てみたいです。ポータブルミゾレ」「これぞまことの、シンクロナイズドスイミング。ミゾレの顔と飼育員さんの手の動きが見事にシンクロしてますもんね」「ミゾレは愛されてることをわかっていて、信頼しきっていますね。それがまた嬉し可愛いです」「いつまでも甘えん坊でほっこり」など、1人と1匹の関係性が称賛されました。

現在、4頭のワモンアザラシを飼育中の「海遊館」で4月に1歳になったオスのミゾレ。「北極圏」水槽の底部分は下の階から見上げれるドーム型で、ミゾレは展示水槽デビュー以来、ドライスーツを着用し軍手で潜水掃除をする飼育員に興味を持ち続けているそうです。担当者に、ミゾレについて詳しく聞きました。

――手に合わせてミゾレの顔もグルグルと動き、お互いがリンクしているような清掃風景、すごいですね!

事故が起こらないように、ミゾレが嫌がる行動(無理に押しのけたり、強く抱えたり)は行わず、実際には手でそっと支えている程度です。細かい汚れも見落とさないよう入念に掃除しているため、ミゾレの動きも確認する必要もあり、こう見えて大変ですね。

――なるほど。水中でどれくらいの時間、一緒にいるのですか?

清掃中10分ほどミゾレが近くにいることもありますが、ミゾレに触れる必要がないなら10分間抱え続けているというわけではないです。普段は飼育員からミゾレを積極的に触ることは行いません。陸上でミゾレの身体を触ろうとすると、怒られることが多いのですが、水中だと触られても気にならないのか、じっとしてくれることが多いです。

――この作業風景をお客さんも見ることはできますか?

潜水掃除は大体週1回くらいの頻度で行っていますが、このドームの掃除は水槽全体の汚れを見ながら不定期で行っています。もし掃除をするタイミングでミゾレが潜水者に興味を持っている状態なら、お客さまがご覧いただける可能性はあります。

――ミゾレの普段の性格は?

ミゾレは産まれてすぐに体調不良になり、国内初となる完全人工哺育で育ちました。一般的に警戒心が強い性格とされるワモンアザラシですが、ミゾレは飼育員に囲まれた環境で育ったため他の個体と比較して、人に対する警戒心は少ないです。まだ若いことも相まって、好奇心が旺盛な性格と言えますね。

――今回の投稿に大きな反響がありました。

ミゾレの完全人工哺育では、何日も24時間体制で見守り、飼育員にとっては肉体的にも精神的にも過酷な期間ではありましたが…SNSなどで皆様からあたたかな言葉を頂いたことが大変励みになりました。今回のコメントについても嬉しく思っております。このことをきっかけに、海遊館のワモンアザラシ、自然で暮らすワモンアザラシにも興味を持って頂ければ幸いです。

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ワモンアザラシのいる「北極圏」水槽は、上下2フロアで「北極の氷上」「流氷下の海中」を表現した展示エリア。展示している生き物のなかには、飼育員が自ら北極圏に赴き、採集した生き物たちも。「「北極圏」がテーマの展示のある水族館は少ないので、ぜひご注目ください」と担当者。

また開館30周年記念として、エントランスビルにて「海遊館ミュージアム」を5月8日まで開催中。展示水槽や飼育方法、飼育員について驚くような事実や工夫が紹介されています。5月3日・4日はチケット購入に3時間待ちが予想されるそうですが、日時指定ができるeチケットが4月29日〜5月8日に発売されているのでご活用を。

「海遊館」
住所:大阪市港区海岸通1-1-10

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・塩屋 薫)