コメディー路線から一転して、陰謀と謀殺が渦巻くサスペンスの様相を呈してきた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。最少4、最多で7の選択肢を経ると、劇中の8人の武将・官人の誰かにたどり着く診断チャートが話題です。あなたは頼朝、義経、それとも追討・誅殺されてしまった悲運のあの方?

「(主人公の北条義時の兄で、序盤で死んだ宗時を演じた)愛之助さんが死んじゃってから次の推しが見つからない」という友達の嘆きを聞いたTwitterユーザーの重藤小藤太(@Kotouta_Sige1)さんが作りました。「他人の意見よりも自分の意見の方が正しいし優先したい」の質問からスタートし、最終的には頼朝、義経、義仲、北条義時、梶原景時、上総広常、大江義元、そして癒し系として急浮上の和田義盛の誰かにゴールするというもの。「景時になったよ(好きだけど、なんか複雑な気持ち…)」「頼朝になってしまった…」などのコメントが寄せられています。

平安末期からの鎌倉に至る源平合戦の時代について、「武者の世が始まる歴史上重要な変革期であり、日本が大きく変わっていく時代です」と話す重藤小藤太さんに聞きました。

ーこの時代を愛する気持ちが伝わってきます

「人間の力強さを感じられる時代だからかな、と思います。『吾妻鏡』や『平家物語』に描かれる武士たちは気性が荒く、冷徹な計算を働かせて他者を殺してしまうことも少なくありません。血も涙もない顔の一方、現代からすれば考えられないほど大いに笑い、泣き、怒る。私たちとは全く違う価値観で生きる彼らの良くも悪くも力強い姿やエピソードはすごく強烈でカッコいいです。あと甲冑も超カッコいい」

ーご自身の診断結果は

「…頼朝タイプでした。あんなに賢くもないし強くもないはないので畏れ多いです。頼朝ほど上下関係には厳しくはないですが、結構感情を表に出すところは近いかも?」

ー8人の中で魅力的な人物は

「和田義盛です。武勇に優れていますが、ちょっと抜けている憎めない人として『吾妻鏡』や『平家物語』で描かれてます。『吾妻鏡』の和田合戦の記事は小説のような読み応えに圧倒されます。義盛の最期は平家一門のような美しい幕引きではありませんが、一族を愛した彼らしい姿が魅力的です」

ー週末が楽しみですね

「以前なら「上総広常って知ってる?」と10人に聞けば9人は知らなかったであろう上総広常という歴史上の人物をこれだけ周知させたという一点だけでもこの大河ドラマの凄さが分かりますよね。願わくば、これをきっかけにこの時代の沼にハマる人が増えて欲しいです。ポスト頼朝の展開をどう描くか気になります。歯止めとなる頼朝が消えた途端、展開がより暗い方向に向かうと思うので」

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「鎌倉殿の13人」に登場することはないでしょうが、重藤小藤太さんが最も敬愛する人物は源為朝。頼朝の叔父にあたり強弓の使い手として知られています。

保元の乱(1156年)の顛末を描いた『保元物語』によると、10代のうちに九州の武士を実力で従えた為朝は身長2メートルを超える巨漢。超人的な弓技で敵方の平清盛や実兄の源義朝(頼朝の父)、坂東武者の上総広常、千葉常胤、大庭景義、大庭景親らを圧倒します。

『吾妻鏡』の1191年8月1日の記事には「鎌倉殿の13人」にも登場する千葉常胤、三浦義澄、畠山重忠、梶原景時、佐々木盛綱ら歴戦の御家人たちが戦場体験談を語ったというエピソードがありますが、彼らの体験談を差し置いて唯一話の詳細が記事に書かれているのは、大庭景義という老御家人の話でした。景義は保元の乱で「吾朝無雙弓達者」(日本無双の弓の達人)たる為朝と遭遇しましたが、馬術に長けていたお陰で重傷を負うも生き延びられたのだ、とやや説教くさく語り、他の御家人たちを大いに感心させたと記されています。

「謎に包まれていますが、『保元物語』の人間離れした人物像が形作られるに足る実力と強い印象を持つ武将だったことは間違いないはず。「為朝ならやりかねない」と思わせる圧倒的存在感が大きな魅力です」と重藤小藤太さんは語ります。

この時代の沼にどっぷりハマった重藤小藤太さん。LINEスタンプ「いざ鎌倉⁉︎源平武士スタンプ!!」も手掛けています。

(まいどなニュース・竹内 章)