美観地区で知られる岡山県倉敷市中心部と巨大なコンビナートのある水島地区を結ぶ水島臨海鉄道は、集客に向けた多彩な企画を展開している。定番のフリー乗車券販売に加え、寺社の御朱印を模した「鉄道印」の発行や不要になった鉄道部品が当たるカプセル玩具販売機(ガチャガチャ)設置など、鉄道ファンの心をくすぐるサービスも。何回も訪れてもらう仕掛けに工夫し、沿線の活性化を目指す。

 鉄道印の目玉は、社長の伊東香織倉敷市長直筆の特別バージョン。「御乗車記念」「水島臨海鉄道」と筆書きされ、同社の愛称「ピーポー」の文字と、所有する国鉄車両「キハ」のかわいらしいイラストも入る。発行は12月末までで、1枚800円の500枚限定。社員がしたためた鉄道印(300円)は通年で提供する。

 記帳の際、日付を書き入れて社印を押す。当日の利用客が対象で、購入には乗車券の提示が必要。収集に便利な「鉄道印帳」(2200円)も赤と青の2種類用意し、表紙にはそれぞれ同社自慢の車両「キハ205」「DD200」をあしらっている。

 鉄道と沿線の魅力をたっぷり味わうには、昨年実施したクラウドファンディングの達成を祝うフリー乗車券がお薦め。800円(大人用のみ、500枚限定)で、10月14日までの間に1日自由に乗り降りができる。利用時には、かつて使われていた改札ばさみで切符を切る。鉄道印、切符とも倉敷市駅(同市阿知)の窓口で販売中。

 鉄道用品を集めるのが好きな“収集鉄”向けには、同駅に「廃品ガチャ」を用意した。車輪をはさんで速度を落とす「制輪子」、線路を電気的に接続する導線「レールボンド」…。通常は手に入らない使用済みの部品が当たる。1回500円で、引き換えは9月末まで。

 いずれも大型観光企画・岡山デスティネーションキャンペーン(DC)に合わせて企画した。DC期間中の県内では、JR西日本が国鉄時代をイメージしたリバイバル列車を運行するなど、鉄道の魅力を前面に押し出したイベントが多数展開されている。

 水島臨海鉄道の担当者は「旅と鉄道は切っても切れない関係にある。水島地区に足を延ばしてもらうことで、地域のにぎわい創出につながれば」と期待する。

(まいどなニュース/山陽新聞)