2022年夏、東急世田谷線に掲示された広告が話題になりました。水色に白抜きで大きく「ナウル」と書いてあります。「なんじゃこりゃ?」と、思わず調べてツイートした「ぶれいん(@topchanges)」さんと、広告を出した「ナウル共和国政府観光局(公式)(@nauru_japan)」に話を聞きました。

「ナウル共和国の電車内広告 シンプルすぎやろ笑笑」

こんなコメントとともに、車内に吊り下がる広告の写真をツイートしたぶれいんさん。ツイートは6千を超える「いいね」がつきました。それに対して、4時間後には「あ…」とリプライで返したナウル共和国政府観光局。さらに次の日には「見つかってしまいましたか…」と引用リツイートしました。政府観光局のアカウントなのに、対応が早すぎない!?

 それもそのはず、2020年10月にツイッターを開設してから、南太平洋諸島のナウル共和国をおもしろおかしく(時に真面目に)紹介しつつも、対応は早く、フォローバック100%をうたい、フォロワー数が今や40.1万人を超えている(11月7日現在)、ツイッター界で有名な国なのです。

 フォロワー数があっという間にナウルの総人口1.1万人を超えてからは、さまざまな日本の市町村の人口とフォロワー数を比べています。11月4日には、大阪府枚方市(ひらかたし)の人口397,063人とフォロワー数が同じになったことを報告。恒例の面積の比較ができる地図もツイートしました。ちなみに、ナウル共和国は枚方市よりも小さい国(21平方キロメートル)で、バチカン市国、モナコ公国に次ぐ3番目に小さな独立国です。

 そんなナウル観光局の吊り広告をツイートしたぶれいんさん。リプ欄には「これは目を惹く広告」「好き‼️こういうの。」「きれいな海の写真とかじゃないんだw」「QRコードも入れない潔さがいい」「シンプルなだけにナウルって何よ?って調べる人が居そうで効果抜群かも」と好意的なコメントが寄せられています。

仕事の帰りに見た広告は『ナウル』のたった3文字だけ

 取材に対してぶれいんさんは「私があの日、仕事の帰りに見た広告は『ナウル』のたった3文字だけで、正直何の情報も持たない、広告とは言いがたいものでした。こんな吊り広告は見たことがなかったので、『なんじゃこりゃ?』とすぐ検索して、そこで初めてナウル共和国の存在を知りました」

「その感情を分かち合いたくて、ついつい出来心でツイートをしてしまったんですが、それがちょっとだけ評判になりました。今思うとこのようにツイートさせることが、ナウル共和国の最大の策だったのではないかと思うのですが…」とツイートしたときのことを振り返りました。

 また、そのあとの反響について「こんな風にいいね!が多くついたことがなかったので、驚くと同時にナウル広告を見つけて良かったと嬉しくなりました。また、『あ…』とナウル共和国の公式ツイッターから見つけてもらえたときも嬉しかったです。『あ…』って、なにちょっと『見つかっちゃった!』感出してるんだよ(笑)とは思いましたけど。。」と笑います。すっかりナウルの魅力にハマったぶれいんさんは、応援したくなってしまい「日本ナウル友好バッジ」を購入してしまったそう。

 実は、「ナウル」の文字のみの吊り広告は2021年2月に都電荒川線(東京さくらトラム)にすでに出したことがありました。さらに2021年9月には、フォロワー数が26万を超えたことを記念して「ありがとうございます」という広告も出して話題になっています。

気になって検索していただける方を増やすため、「ナウル」の文字だけに

 ナウル共和国政府観光局日本事務所の担当者に話を聞きました。

──綺麗な海を見ながら散歩や、釣りなどができるのですね。自然豊かな景色がたくさんある中、広告が「ナウル」の文字だけなのはなぜですか?

 気になって検索していただける方を増やすためです。これまで「ナウル」と「ありがとう」しか出したことはありませんが、今後は検討したいと思っています。

──今回はなぜ世田谷線に?

 都内で低価格の電車広告を探した結果で…。電車広告を出した理由は、Twitterとは異なる層にもアプローチするためです。

──効果があったと言ってもいいようですね。コロナ前に、ナウルを観光で訪れる日本人ってどのくらいいたのでしょうか?

 数名です。ぜひナウルを訪れて、綺麗な海を眺めたり、お散歩をしていただけたらと思います。

──ツイッターのフォロワーが40万人を超えました。おめでとうございます。ツイートする上で気をつけられていることはどんなことですか?

 誰かの中傷にならないように気をつけています。たくさんの方にフォローしていただいて、本当にありがたいことだと思っております。

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 ナウルの観光についてもっと知りたいと思われた方は、「国際機関 太平洋諸島センター」の公式サイトにある「ナウルガイドブック」をご覧になってはいかがでしょうか(筆者が調べたナウル観光情報の中で一番詳しく紹介されていました)。コロナが落ち着いたら(現在は行くことができません)、行ってみる?ナウル。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)