猫との出会いは、予期せぬ形で紡がれることも。そんな体験をしたのが、今年の5月に家の屋根裏で生まれた子猫を救出したSさん。それから、約半年。Sさん宅には、すっかり大きくなった2匹の姿がありました。

屋根裏に子猫が…床下に落下してしまった子たちも

出会いは、突然。ある日、Sさん宅の天井裏で野良猫が4匹の子猫を出産。Sさんは屋根裏にいた2匹と、床下に落下してしまった2匹をレスキューしました。

しかし、床下に落ちた子のうち1匹は残念ながら逝去。消えてしまった命に心を痛めたSさんは紡げた命を守り抜こうと決意しました。

保護後は、すぐに動物病院へ。幸いにも、健康状態に問題はありませんでした。

Sさんは3匹に、小鉄くん、Emmaちゃん、グクくんといった名前をつけて、里親探し。

小鉄くんの名前は漫画『浦安鉄筋家族』に登場する小鉄のように、どんな時も明るく元気で突き進む子になってほしいとの願いから。

Emmaちゃんはビビリな性格であったため、エマワトソンのように強くたくましく、美しい女性になってほしいとの思いから命名しました。

「名前をたくさん呼んで、たくさん話しかけました。寝る時には一緒に寝ていましたが、それは今も継続中です」

育猫中の思い出で特に印象に残っているのは、初めておしっこをしてくれた日のこと。

「まだ小さかったのですが、トイレシートの上で頑張って踏ん張る姿が、とても愛おしかったです」

その後、グクくんには里親さんが現れ、新しいおうちに迎えられることに。小鉄くんとEmmaちゃんはSさん宅で暮らし続けることとなりました。

保護した時、小鉄くんは小さく弱々しかったものの、今ではEmmaちゃんよりも大きくなり、男らしく育っているそう。

ただし、甘えん坊でSさんが寝る体制になると、必ずお腹の上に乗り、一緒にスヤスヤ。
「それが、果てしなく可愛いです。小鉄は運動音痴で、高いところに登ることはできても降りることはできません(笑)」

Sさんによれば、小さい頃はよく小鉄くんがEmmaちゃんにちょっかいを出していたそうですが、最近では穏やかに過ごせるようになってきたのだとか。

「気づいたら、2匹一緒にくっついて寝ています。仲がいいなあと思いますね。ただ、2匹とも怖がりな性格は変わっておらず、掃除機をかけると、今でも部屋の隅に隠れます」

生活がガラリと変わった、この半年。3匹との出会いや育猫経験を通し、Sさんの中では猫に対する気持ちが変化しました。

「正直、猫を飼いたいと思ったことは一度もありませんでした。けれど、小鉄たちを保護し、一緒に過ごすことで保護猫について考えることが増え、保護活動されている方々のことも知り、自分も何かしないと、という気持ちが生まれました」

私も猫を守る方法を広めていきたい。そう語るSさんは大人になっていく2匹を、優しく見守り続けていきます。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)