「先日、ありがたいことに、両親の結婚50年の金婚式を開催することができました。
企画を考えているときもワクワク。
当日は孫たちも盛り上がり、あたたかくてよい時間を体験。
終わった後もとても満足感につつまれています。
みなさまの何か参考になればとシェアいたします」

両親の金婚式を、出席した親戚一同が世代を超えて楽しめるパーティーとして企画したというレポートがTwitterに投稿され、「めちゃ素敵」「自分の親の金婚式でも真似したい」と反響を呼んでいます。

出席者全員の顔写真シールを集めて家系図を完成させる「このひとだあれ」ゲームや、2人の人生を本人の語りで振り返る「祖父母クイズ」など、全員参加型のアイデアを詰め込んだプログラムに、孫世代まで大盛り上がりだったとか。仕掛け人は、ボードゲーム開発者のかわぐちさん(@guchi_fukui)。当日の様子や手応えについて話を聞いてみました。

かわぐちさんは福井県のボードゲーム制作者らでつくるサークル「ちゃがちゃがゲームズ」の代表。これまで、自身が手掛けた「かたろーぐ」「じっくりミレー」でグッド・トイ賞を受けているほか、「ZENタイル」「キャラホメ」などでも注目を集めるクリエイターです。

孫が楽しいと、みんなも楽しい!

金婚式の本番は11月5日でした。かわぐちさんは1カ月ほど前から少しずつ企画のイメージを固めていったといいます。

その際、大切にしたポイントは次の3つ。

・孫が楽しいと、祖父母も楽しいはず。「まだ終わらないの」と言われないような企画を意識する。
・2人の人生を自分たちから伝える。司会が紹介するのではなく、2人の言葉で伝えられるように。
・孫が飽きない短時間で。

会場の座席も、主役である主役2人を中心としたコの字型に配置して会話が届く距離に。「ひとまとまりの空間」になるよう考えたのだとか。

親戚の顔写真シールを集めて家系図を完成させろ!

また、おめでたい会とはいえ、遠方の見知らぬ親戚も集まるため、孫たちにとっては「この人たち誰?」という状況になりがちです。

それを和ませる「このひとだあれ」は、各自に配布した家系図シートと自分の顔シールを使ったゲーム。「あいさつしてからシールをもらって家系図を完成させてね。おじいちゃんおばあちゃんから景品が出るよ」と言うと、孫たちは喜んで会場を飛び回り、それぞれの「関係性」もわかったことで一気に穏やかな雰囲気になりました。

祖父母クイズ!50年前の結婚式の親族写真!

「祖父母クイズ」は、紙芝居形式で2人の来し方を振り返りながら、本人たちが自分で語る企画。2人の仕事、出会った場所、これからやりたいことの3つをクイズにしました。

そして大ウケだったのは、「当時の結婚式の親族写真」。孫たちは「若い!」「イケメンすぎる!」と大興奮で、親戚同士も思い出話に花を咲かせたといいます。

他にも祖父母が番号の読み上げや景品を渡す役を務めたビンゴ、ケーキ入刀、出席者からのお手紙など、盛りだくさんだった金婚式。90分の予定を超えて2時間となりましたが、孫たちも退屈せずに過ごしていたそうです。

ゲーム作りのノウハウが金婚式にも

あらためて、かわぐちさんに伺いました。

—当日は何人くらい集まったのでしょうか。

「5家族、17人です。主役の2人(両親)は70代、私は子供の世代で40代、孫は乳幼児から中学生までいました」

—準備はいつ頃から?

「本番1カ月くらい前から何となく考え始めました。Twitterで反応が多かった『家系図シート』は、最初はただの丸いシールを貼りつけるイメージでしたが、妻に相談したら『みんなの顔写真を貼った方が絶対にいいよ』と意見をもらい、過去の写真から顔を切り出してシールを作りました。家系図シートも妻がデザインしてくれたので、とても助かりました」

—やはり、ボードゲーム作りのノウハウが役に立ちましたか。

「そうだと思います。私は普段から自分の感情を俯瞰して、『これはなぜ面白いのか』『どういうふうな感情の変化が起きているのか』ということを意識するようにしています。そのときに『なるほど、こういうシチュエーションでこういう感情が起こるのか』というルールが見つかると、今度は逆にそういった感情を引き起こすようなシチュエーションをゲーム上で追体験できないか…というふうにゲームを考えていきます」

「そういう経験が、今回は金婚式という場に生かすことができました。出席した親戚のみんなにも喜んでもらえたので、とても嬉しいです」

かわぐちさんは金婚式を終えて「気づいたこと」として、次の3点を挙げています。

・参加した人がどれだけ「しゃべれたか」で満足度が違う。できるだけみんなに発言してもらうとよい。
・孫が楽しいとみんな楽しい。
・祖父母のことを孫は全然知らない。こういう機会に祖父母の生い立ちを伝えられてよかった。

「企画した僕もめちゃくちゃ楽しかったですし、何より両親がすごく喜んでくれました」と、かわぐちさん。「金婚式ができるというのは、数多くの条件がそろったすごい奇跡です。みなさんもぜひ企画してみてくだい」と話してくれました。

(まいどなニュース・黒川 裕生)