「銀行にはシークレットサービスがある」「富裕層しか受けられない庶民が知らない銀行サービスがある」このような噂を聞いたことがある方はいないでしょうか?

銀行は公的サービスの色合いが強く、「平等であること」が求められがちな業種です。一方で、メガバンクを中心に銀行のお得意様である富裕層限定の会員制サービスを提供しているところもあります。実際に某メガバンクの会員制サービスを利用しているAさんの体験談を見てみましょう。

地主&外資エリートの元にかかってきた電話

Aさんは都内に住む50歳の外資系エリートサラリーマンです。さらに地主の息子でもあるAさんは、多数の不動産も保有しており、余剰資金は某メガバンクに5億円ほど預けていました。

すると、ある日、取引先であるメガバンクの営業マンからAさん宛に電話がかかってきたのです。内容は「Aさんのようにたくさんのお金を預けている人にしか紹介できないラグジュアリーサービスができたので、ぜひ紹介したい」といったものでした。

そもそもAさんの元には、銀行や証券会社からたくさんの営業が来ます。大抵は投資信託や保険を買って欲しいといった内容だったため、Aさんは話半分で聞き流し、営業の電話などを断ってきました。

しかし、今回の内容については興味があったため、そのメガバンクの支店に向かうことにしたのです。Aさんを丁重に迎え入れた銀行は、そこでAさんに想像を超えるラグジュアリーなサービスを紹介しました。

コンシェルジュサービス&豪華なイベント

Aさんが紹介されたのは、コンシェルジュサービスや豪華なイベントの参加権利など、富裕層限定の会員サービスでした。

まずコンシェルジュサービスとは、電話一本で予約の取りにくいレストランやホテルなどの予約を代行してくれるサービスです。また、旅行のプランのアレンジやコンサートのチケットの予約などもおこなってくれます。

また銀行側が提案する豪華なイベントとは、例えば、皇室しか利用ができない電車に乗れたり、USJの貸切イベントに参加できたりと、どれも驚くようなものばかり。Aさんが見たイベントのなかでは「浅草や淀川の花火大会を特等席から見られる」といったものもありました。そのほかにも、芸能人や有名人を呼んだ食事会なども頻繁におこなわれるというのです。

素晴らしい内容に、Aさんは思わず銀行の職員に「年会費はどのくらいかかるのか」と尋ねました。すると銀行員は笑顔で「一切お金はかかりません。Aさんのような特別な人しか利用できないサービスなのです」と答えたそうです。

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実際にこのようなサービスが多くの銀行に存在するのか、元銀行員でFP1級を保有する渡辺智さんに聞いてみました。

メガバンクを中心に富裕層限定のサービスは存在する!?

--実際にこのような富裕層限定のサービスは存在するのでしょうか?

メガバンクを中心に、実際にこのようなサービスは存在します。ただし完全シークレットサービスになるので、インターネットなどでは公表していません。

--年会費が無料とのことですが銀行が費用をすべて賄っているサービスなのですか?

そうです。完全に銀行が負担する形でおこなっています。例えばコンシェルジュサービスの場合、1回電話を掛けるだけでサービス代として5,000円程度費用がかかります。顧客の負担はなく、すべて銀行が負担しています。

--なぜ銀行はこのような豪華なサービスを富裕層に提供するのですか?

富裕層を囲い込むと「儲かる」からです。あまりお金のない人に営業をかけて投資してもらっても金額が少ないので銀行は儲かりません。しかし富裕層の場合「1億円」単位で投資をしてくれるので、その分儲かるのです。

--お金持ちと庶民を区別することに問題意識を持つ人もいるかもしれません。

確かにそうですね。銀行もその点は思っているので完全シークレットサービスになっています。しかし銀行も民間企業です。利益を出さないといけないのでこのようなサービスをおこなっているのです。

--私もこのようなサービスを受けてみたいのですが…。

そうですよね。そのためには5億円程度のお金を貯める必要がありますね。なぜなら、5億円をこのサービスを受ける基準のひとつにしている銀行が多いからです。実際に私が勤めていたメガバンクの会員制サービスの入会基準も5億円でした。

5億円と聞くとなかなか遠い夢だと思われるかもしれません。しかしコンシェルジュサービスだけを利用するには会員制サービス以外にも方法があります。例えばプラチナカードの保有で利用条件という銀行もあるので、もしチャンスがあれば試しに使ってみてはいかがでしょうか。

◆渡辺智(わたなべ・さとし)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
メガバンクに11年間勤務。現在は金融ライターとして活躍中。メガバンク在職時には最優秀営業賞を2回受賞。富裕層を対象にするプライベートバンカーなどを歴任。「難しい金融をわかりやすく伝える」ことをモットーに活動中。

(まいどなニュース特約・八幡 康二)