内閣府が15日に発表した2017年7〜9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、この状況が1年間続いた場合の年率換算で1.4%増と、7四半期連続のプラス成長だった。企業の9月中間決算も好内容が相次ぎ、景気回復の持続を裏付けた。ただ、賃金が上がらない中、個人消費は低迷したまま。日本の景気は海外経済の好調に支えられる脆弱(ぜいじゃく)な構造だ。【井出晋平】

 「景気は緩やかな回復基調が続いている」。茂木敏充経済再生担当相は15日の記者会見で、今回のGDPを評価した。実質GDP成長率が7四半期連続でプラスとなるのは、世界的なIT(情報技術)ブームを背景にした景気拡大期(1999年4〜6月期から01年1〜3月期)以来。約17年ぶりだ。

 ただ、7〜9月期のGDPは、前期(4〜6月期)に比べて、外需依存が強まった。GDPの約6割を占める個人消費は前期比0.5%減と7四半期ぶりのマイナスに転じ、内需の弱さを露呈した。対照的に、米国やアジア経済の好調を背景に輸出は1.5%増加。内需の落ち込みを補った。

 7〜9月期の内需不振は、前期の伸びが高かった反動や、柱の個人消費のうち、飲食や宿泊関係が天候不順で減少したことなどが影響している。茂木氏は会見で「内需は(実質的には)横ばい」との見方を示した。しかし「賃金の伸びが弱い」(内閣府幹部)中、今後も消費の盛り上がりは見込みづらいのが実情だ。

 実際、好調な業績を続ける大企業も賃上げには慎重で、家計の所得増に十分つながらない「実感なき景気回復」となっている。また、年金など老後の不安を感じて消費を手控える傾向も根強い。

 SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、「世界経済が好調なため、日本は今後も外需主導の堅調な成長が続くだろう」と予測。そのうえで「内需主導の力強い景気回復に転換するには、賃上げの実現が必要。安倍晋三政権が企業に賃上げを促す政策を実行できるかがカギになる」と指摘する。