海上保安庁は2018年度、海上保安学校(京都府舞鶴市)に海上の交通整理の専門家を養成する「管制課程」を新設する。管制業務は海上勤務などを経験した保安官を配置してきたが、必要な資格を取得できずに欠員が出るケースがあった。同庁は高い英会話能力などを身につけた「運用管制官」を育成して人材確保を図り、船舶事故の未然防止体制を強化する。

 海上管制を行う海上交通センターは東京湾や大阪湾、瀬戸内海など、船舶が集中する全国七つの海域に設置されている。国際基準に基づく運用管制官の資格を取得した保安官がレーダーなどで船舶の動きを監視し、座礁や衝突危険のある船舶に無線で周辺の情報を提供したり、特に注意が必要な大型船舶と他の船舶との距離の調整をしたりしている。

 運用管制官は、約5カ月の研修を受け、口述試験に合格する必要がある。独特な「海事英語」の習得なども求められる。しかし、英語が習得できずに不合格となるケースもあり、OBを再任用するなどして欠員を補ってきた。同庁は安定した人材確保が重要として、2年前から管制課程の設置を検討してきた。

 管制課程では、レーダー画面を使ったシミュレーションや海事英語などの授業を予定。外国の船舶との通信に必要な第3級海上無線通信士などを取得し、卒業後は交通センターに配属される。

 東京湾海上交通センター(神奈川県横須賀市)で管制業務に当たる浜田翔2等海上保安士(22)は「熱意と仕事に誇りを持つ人に仲間になってほしい」と話す。採用予定数は約20人。受験申し込みは7月18日から。【酒井祥宏】