大阪府寝屋川市で中学1年の平田奈津美さん(当時13歳)と星野凌斗さん(同12歳)が殺害された事件は13日で発覚から2年になる。2人が早朝に連れ去られた場所とされる京阪寝屋川市駅前の商店街は、今月から子供の安全を守る取り組みを始めた。お守り型の機器を配り、商店街の通行時間を親にメールで通知する仕組みで、関係者は「二度と悲しい事件を起こさないために、地域ぐるみで子供を守りたい」と話す。

 平田さんと星野さんが目撃された最後の場所だった寝屋川一番街商店街が中心になり企画、周辺の2商店街も加わった。「お守り」(縦7センチ、横4・5センチ)はICタグで1000個用意した。「地域や家庭で子供の安全を守ろう」との願いを込め、お守り型にした。商店街に一つずつある端末にかざすと、事前に登録した親のメールアドレスに、場所と時間が送信される。親が持つ商店街のポイントカードへのポイント加算もある。総費用の約1500万円は国の補助金も活用して商店街が負担する。

 計画を進めた同商店街振興組合の中村純夫理事(57)には葛藤もあった。事件後は防犯体制の強化に取り組み、高性能カメラを4台設置した。のぼり旗など撮影の邪魔になる障害物は移動させ、LED灯で明るくした。だが「設備があれば事件を防げたのか」との疑問は消えなかった。

 店主らで話す中、「本当に大事なのは子供の顔が分かる地域の関係作りではないか。それがあれば子供にも声を掛けやすい」などの声が上がった。保護者や子供と、商店街の店舗がつながりを持つきっかけとして始めたのが今回の「お守り」のサービスだった。

 ICタグを使った子供の見守りサービスは全国の学校でも広まっている。タグを身に着けた生徒が校門のセンサーを通過すると保護者に通知が行く。全国でICタグのサービスを展開する阪神電鉄によると、同社のシステムは全国の小中高校約950校が導入。寝屋川市でも公立24小学校のうち12校が活用している。【藤河匠、山田毅】