静岡県は、富士登山に挑戦する外国人向けにマナーを紹介する啓発グッズを充実させている。文化や習慣の異なる外国人登山者と山小屋運営者らの間でトラブルなどがあったため。県は「日本や富士山ならではのルールを知らないことが原因。トイレマナーなどを周知しトラブルを減らしたい」としている。

 県富士山世界遺産課が2016年7月29日〜8月7日にかけ県内3登山道5合目で行った目視調査では、外国人登山者は2429人で全体の8・7%だった。今季も、数多くの外国人が訪れている。

 県自然保護課は昨年の閉山後、山小屋運営者を対象にトイレに関するアンケートを実施。回答には「外国人登山者が増えてからトイレにごみが増えた」「外国人登山者にも分かる案内文書がほしい」などの意見があった。

 このため、県は「ごみを便器に捨てないで!」「トイレチップにご協力を!」などと日本語、英語、中国語など6カ国語で記したA4判のトイレマナーシートを320枚製作。静岡側3登山道の5合目以上のトイレ32カ所に掲示した。また、外国人向け旅行センターや日本語学校での配布用に、英語と中国語で富士登山のマナーをプリントした「啓発手ぬぐい」も新たに5000枚作った。登山中に汗を拭いながら学べるよう考案したという。

 さらに県は13年度から6カ国語対応で配布しているマナーガイド「富士山へ登る人のために」を、昨年度の7万部から12万部に増やして配っている。今年度は、混雑緩和のために初めて作った混雑予想カレンダーを加えた。

 県自然保護課の榊原将弘主査は「トイレへのごみ捨ては故障や環境汚染につながる。登山者みんなが、安全で快適な登山ができるようになれば」と話している。【井上知大】