◇新潟地裁高田支部で禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決

 昨年12月に新潟県糸魚川市で発生した大火で、業務上失火罪に問われた火元のラーメン店の元店主、周顕和被告(73)に対し、新潟地裁高田支部は15日、禁錮3年、執行猶予5年(求刑・禁錮3年)の判決を言い渡した。弁護側は控訴しない方針。判決後、周被告は弁護士を通じ「糸魚川の皆様に対する償いのため今後の人生を歩んでいく」とのコメントを出した。

 石田憲一裁判長は「火気を扱う者として注意義務違反は著しい」と指摘した上で、「強風が延焼範囲を広げたという偶発的な事情もある」と述べた。判決言い渡し後には「今回の火事で多くの人が苦しみ傷ついたが、それでもたくさんの方が日々奮闘している。糸魚川の人と町が元気になれるよう、できることは何かを考えてほしい」と説諭した。

 判決などによると、周被告は昨年12月22日、店の厨房(ちゅうぼう)でタケノコと水の入った鍋をガスコンロの火にかけたまま休憩のため帰宅。鍋から発火させ、隣家に燃え移らせるなどした結果、全焼120棟を含む計147棟を焼損させた。

 大火で全焼した老舗酒蔵「加賀の井酒造」の蔵元、小林大祐さん(35)は「この火事でいろんな人の人生が大きく変わった。判決は一つの区切りだと思うが時間が戻るわけではない」と話した。【南茂芽育、後藤結有】