山梨、静岡両県は15日、世界文化遺産・富士山の登山者混雑を回避するため、特に混み合う2登山道に、1日当たりの登山者数を2000人と4000人とする指標を設ける方針を明らかにした。入山規制はせず、指標を目安にして登山者の平準化を図る。

 両県がまとめた報告書案によると、今回設定した「望ましい登山者数」は、山梨県側の吉田口登山道が1日当たり4000人、静岡県側の富士宮口登山道が2000人。2019年の登山シーズンで、設定した数値を超える日数を吉田口で3日以下、富士宮口で2日以下とする目標も示した。混雑日を予想したカレンダーを公開するなどして緩和に努める。

 富士山は13年に世界文化遺産に登録されたが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から「登山者が山の神聖な雰囲気を阻害している」などと警告されたため、両県が対策を協議していた。

 報告書案は15日、有識者でつくる「富士山世界文化遺産学術委員会」に提出した。両県知事らが参加する協議会で了承されれば、11月末にユネスコに提出する。

 環境省によると、2017年の1日当たりの登山者数(8合目)は、吉田口では平均値で平日1983人、土日祝日3227人。最大で4544人だった。富士宮口では平均値で平日837人、土日祝日1717人。最大で2656人だった。【田中理知】