川崎市で15日に開かれた第72回毎日映画コンクールの表彰式。多彩な顔ぶれの受賞者たちが喜びを語った。

 第二次大戦直前の佐賀・唐津を舞台にした「花筐/HANAGATAMI」で日本映画大賞を受賞した80歳の大林宣彦監督は車椅子に乗って現れ、「映画は戦争の歴史とともに育ってきた。映画で歴史は変えられないけれど、未来を変えることには役立つんじゃないか」と語った。窪塚俊介さんや常盤貴子さんら出演者も登壇し、常盤さんは「大林監督の撮る世界観によって、今まで見たことのない自分になれた」と感謝した。

 日本映画優秀賞「あゝ、荒野」の岸善幸監督は「寺山修司さんの50年前の小説を2020年の設定で作るのはプレッシャーだったが、開き直っていろいろ挑戦した」と振り返り、同作で男優主演賞を受賞した菅田将暉さんは「こんな大きな賞をいただくことは想定外だった。身に余る光栄」と喜びを表した。

 「散歩する侵略者」で女優主演賞の長澤まさみさんは「この賞をいただいたことを糧にして日々、精進していきたい」と決意を語った。「島々清(かい)しゃ」でスポニチグランプリ新人賞を受賞した12歳の伊東蒼さんは涙を流し、「撮影中に私が『どうしよう』となった時、新藤(風)監督や(共演者の)安藤サクラさん、スタッフの皆さんにいろんなことを教えてもらった」と感謝を表した。田中絹代賞に輝いた81歳の水野久美さんは「大大先輩の名誉ある賞を頂き、感謝の気持ちでいっぱい。女優生活60年、誇りを持ってやってきた私に神様がごほうびをくださった」と感無量の面持ちだった。【木村光則】