盛岡市の認可外保育施設で2015年8月、下坂彩心(したさか・あこ)ちゃん(当時1歳)に食塩入り飲料を飲ませて塩化ナトリウム中毒で死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元施設経営者、吉田直子被告(35)に対し、盛岡地裁は14日、罰金50万円の求刑を上回る禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。

 判決理由で中島経太裁判官は「熱中症を懸念して塩を与えたとの供述は信じられないが、虚偽とまでは言えず、詳しい動機は分からない」と判断。その上で「乳幼児に塩を与えたのは非常識極まりなく酌量の余地はない」とし、罰金刑を選択すべきではないと結論付けた。

 判決によると、吉田被告は、腎臓などが十分発育していない1歳児には食塩を与えないか、ごく微量にとどめるべきだったのに、15年8月17日〜18日未明ごろ、彩心ちゃんに食塩を加えた乳幼児用イオン飲料を飲ませ中毒死させた。

 吉田被告は昨年7月、危害を加える意図があったとして傷害致死容疑で岩手県警に逮捕されたが、盛岡地検が処分保留で釈放した。盛岡区検は今年1月、業務上過失致死罪に切り替えて略式起訴したが、盛岡簡裁が「略式不相当」と判断し、正式な刑事裁判が開かれた。盛岡地裁では、吉田被告に対する損害賠償訴訟も係争中。

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