柏市の市立中学校で2015年3月、校舎から転落して重体となった女子生徒について市教委が「いじめを受けていた」とする報告書を作成していたことが明らかとなり、14日、市議会で内容を公表してこなかった市教委の対応が追及された。また、別の文書には「担任教諭の処分を保護者に説明する必要がある」とも書かれていたが、実際には人事権がある県教委による処分がなされなかったことも判明した。【橋本利昭】

 市議会一般質問で末永康文市議が、この問題を取り上げた。末永市議は「市教委はプライバシーの問題といって(報告書の内容を)隠すのではなく、きちんと公開することで、いじめをしてはいけないということを明らかにしていくべきだ」とただした。これに対し、河嶌貞教育長は「情報共有を第一に対応に当たっていきたい」と述べるにとどまった。

 毎日新聞が情報公開請求で入手した報告書からは、いじめに対する学校側の感度の低さが読み取れる。担任教諭は、女子生徒や保護者から相談があったにもかかわらず、いじめと認識しなかった。学年主任や生徒指導主任も「いじめに組織的対応の中心となる職務にあるという認識が不十分」と指摘され、校長についても「発生まで何も把握していなかった」とされている。また、いじめの有無を生徒に書いてもらう学期ごとの定例アンケートも実施していたが、管理職は、担当職員から口頭による報告のみをもとに、いじめの件数をゼロと認識していたという。

 また、報告書とともに開示された文書には、「相手方(転落した生徒側)に説明する必要がある」として、項目の一つに「担任教諭の処分」と記していた。だが、市教委によると、県教委にも報告書を提出したものの実際には処分はなされなかったという。

 報告書には、この問題をきっかけとした市教委の今後の対策についても盛り込んでいる。1人で抱え込む職員を作らず「いじめの早期発見・早期対応に取り組んでいきたい」とし、学校の組織的対応ができなかったことから、小さな兆候も常に情報交換を義務づけて共有することや、管理職の意識改革などを掲げている。