認知症などで判断力の不足した高齢者らを電話で勧誘し、健康食品を販売したとして、特定商取引法違反(判断力不足便乗など)に当たるとして、消費者庁は14日、健康食品販売会社「薬慎童(やくしんどう)」(福岡市博多区)の社長ら3人に3カ月の業務禁止命令を出した。消費者庁が業務禁止命令を出すのは2例目。会社には3カ月の業務停止を命じ、違反行為の原因について報告を求めた。全国の消費生活センターには2014年度〜18年8月までに398件の相談が寄せられていた。

 消費者庁によると、薬慎童は、過去の顧客情報などに基づいて高齢者に電話。相手の判断力が不足していることがわかるとそれに乗じて、健康食品のお試し品(1080円)の売買契約を日常的に結ばせていた。

 電話では、体調を聞くなど世間話が中心で、勧誘の目的や商品の説明をせず、契約を理解していなかった高齢者もいたとみられる。相談者の平均年齢は80.7歳でアルツハイマー型認知症の高齢者が売買契約を結ばされていたケースもあった。【岡礼子】