鹿児島市で2013年11月、鹿児島県警の警察官に取り押さえられた後に死亡した会社員男性(当時42歳)の父親らが県を相手取って約9160万円の損害賠償を求めた訴訟で、父親らと県は11日、鹿児島地裁(日景聡裁判長)の和解勧告を受け入れて和解した。県は警察官に注意義務違反があったことを認めて遺憾の意を示し、父親らに解決金として2530万円を支払う。

 父親は、和解後に鹿児島市内で記者会見し「我々が求めた映像が証拠採用されず、これ以上の真相追究は難しいと考えて和解勧告を受け入れた。息子の無念を晴らせず申し訳なく思う」と話した。

 訴状などによると、男性は13年11月24日未明、傷害事件の通報を受けて駆けつけた複数の警察官に取り押さえられ、胸部などを圧迫されて低酸素脳症で死亡。その後、警察官2人が業務上過失致死罪に問われ、それぞれ罰金30万円が確定した。

 男性の父親らは15年10月、公判で男性が制圧死した状況が明らかにならなかったことなどを理由に、県に損害賠償を求めて提訴。TBSテレビの警察密着番組を取材する制作会社スタッフが撮影していた現場映像を証拠採用するかどうかが主な争点になったが、17年7月に最高裁が証拠採用を求める父親らの特別抗告を棄却した。

 鹿児島地裁は今年7月に和解勧告。県は9月の県議会で「警察官に職務上の注意義務違反があったことなどを踏まえ早期解決を図る」と和解方針を示していた。【林壮一郎】