2011年にいじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺してから11日で7年となった。市役所で記者会見した生徒の父親(53)は「いじめは目に見えにくいもの。大人が発見して救い出してほしい」と改めて、いじめの根絶を訴えた。会見に同席した越直美市長は「この事件を風化させないことが重要で、いじめ対策に終わりはない」と決意を語った。【小西雄介】

 生徒の死をきっかけに、いじめ防止対策推進法が13年に施行されたが、いじめなどで命を落とす中高生は全国で後を絶たない。

 父親は「法律が全ての教育現場に浸透してほしい。全ての子どもたちが安心して学校に通える状況を強く望む」と述べた。また、子どもを被害者や加害者にさせないため、保護者には「子どもにいじめの怖さを教えて注意喚起してほしい。いじめ防止対策推進法などに目を通し、学校や行政が責任を果たしているか、目を光らせることも重要だ」と語った。

 市役所では始業前の午前8時20分、越市長や船見順・市教育長らが黙とうをささげた。

 市は13年から、小中学校全55校のうち53校で担任を持たずにいじめ問題に専念する「いじめ対策担当教員」を配置するなど、早期発見に努めてきた。大津市の1年間のいじめの認知件数は10年度の53件から、17年度は「疑い」も含めて2531件と約48倍になった。

 昨年11月には、無料通信アプリ「LINE」と提携し、アプリを活用した中学生向けのいじめ相談窓口を開設。8月末までに84人から相談を受け付けた。越市長は「これまで見逃されてきたいじめが見つかるようになってきた」と市の成果を強調。船見教育長は「いじめ問題に全力で取り組むことは、大津市の教員に課せられた重い責任だ」と述べた。

 一方、父親は男子生徒の自殺を巡り、市と元同級生、その保護者に損害賠償を求める訴訟を12年2月に提訴。市とは15年3月に和解が成立したが、元同級生らとの訴訟は続いており、11月に大津地裁(西岡繁靖裁判長)で判決が言い渡される。