大阪市発注の上水道工事を巡り、施工業者が指定された資材を使わず不正な利益を得ていた問題で、吉村洋文市長は12日、関わった業者に損害賠償請求する意向を示した。市水道局もこの日に記者会見し、調査した工事1175件のうち、約9割の工事で不正を確認したと明らかにした。関与した業者は約400社に上るとみられる。市は3月末までに調査結果を公表し、一斉に3カ月の指名停止処分にする方針。

 吉村市長は記者団に「不正が恒常化しており、(関与した)業者には厳しく対応する。入札資格を停止し、損害賠償請求も当然する」と強調。さらに「市の職員が(不正を)知らなかったのか疑問に思っている」とも述べ、市のチェック態勢を見直す方針も示した。

 市は2003年度以降、水道工事で地面を掘った際の埋め戻し材に、水分を除去して安全性を確認した「改良土」を使うよう指定。しかし、コンクリートを砕いた安価な再生砕石などで代用し、その差額を浮かせる不正が横行していた。

 この問題は昨年、毎日新聞が報道し、市が弁護士らによる監察チームで調査を進めている。

 ◇市の担当部長「管理態勢の甘さあった」

 市水道局は会見で不正の状況を説明。12年4月〜17年10月に完成した水道工事1175件のうち、少なくとも1000件で、改良土を使わない不正が確認されたと公表した。これほど大規模な不正が横行していた背景について、山本博章・水道センター統括担当部長は「管理態勢の甘さがあった」と語った。

 報道陣からは、不正の詳細や職員の認識の有無について質問が相次いだが、担当者は「現時点では答えられない。監察チームに調査を任せている」などと繰り返すばかりだった。

 水道管の老朽化率が全国的に高い大阪市では、交換工事の総延長が年間約70キロに及び、120億〜130億円の工事費が見込まれている。施工業者の大半が指名停止になる見通しのため、更新作業が滞る恐れもある。【遠藤浩二、津久井達】