博多の夏の風物詩「博多祇園山笠」の飾り山笠(高さ約13メートル)が30日、福岡市博多区の櫛田(くしだ)神社に奉納された。例年なら市内各所に14基がそろうが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でほとんどの行事の開催が見送られ、1基のみ。それでも「コロナ退治」の願いを込めた加藤清正や桃太郎の雄姿に、見物客が歓声を上げた。

 博多祇園山笠は毎年7月1〜15日に福岡市内で開かれる伝統行事で、櫛田神社は山笠のクライマックス「追い山」の出発点となっている。新型コロナウイルスの影響で山笠の開催が見送られた中、疫病退散を起源として700年以上受け継がれてきた伝統を途切れさせまいと、櫛田神社だけで飾り山笠を奉納して公開することにした。

 30日は山笠に神を招き入れる神事「御神入(ごしんい)れ」があり、阿部憲之介宮司(67)は「来年は頑張ろうという気持ちを鼓舞したい」と話した。飾り山笠は21年6月まで境内で公開される。【平川昌範】