「子どもには、どんなときも、休む権利や、遊ぶ権利があります」

 新型コロナウイルス禍の中でも守られるべき子どもの権利を、やさしい言葉とイラストで伝える絵本「子どもの権利と新型コロナ」が話題を呼んでいる。大阪など4都府県では2020年に続き、緊急事態宣言下で5日の「こどもの日」を迎える。辛抱の日々が続く大勢の子どもたちに寄り添う内容となっている。

 「『がまんの生活』は、思っていたよりも長くなるかもしれません。(中略)感染をへらすことはとても大切。でも、子どもの権利も同じように大切なのです」「そう、ピンクのくまさんのそばでぼーっとするような、ゆったりした時間も大切。ほかの子と近づきすぎないようにして、健康をまもりながら、外で遊ぶのもいいですね」

 絵本の題材になっているのは、感染が世界的に広がり始めた20年4月に国連の「子どもの権利委員会」が出した声明だ。子どもたちの学びや食事、健康、安全などコロナ禍で損なわれがちになる事柄を取り上げ、子どもたちがおかれた状況に目を配るよう大人に呼びかけている。

 声明は、国連NGO「子どもの権利条約総合研究所」(東京)で運営委員を務める平野裕二さんが翻訳し、ホームページで紹介。佛教大(京都市)の長瀬正子准教授(社会福祉学)の目に留まった。長瀬准教授は児童養護施設で育った子どもの権利や支援策を研究し、小学4年の娘を持つ。娘の同級生の中にも、友達と会えずに精神的に落ち込んでいる子がいると聞いていた。

 「政治や教育が感染症対策だけに重点を置き、子どもの気持ちを置き去りにしていないか」

 研究者仲間の神戸女子短大、畠山由佳子准教授のアドバイスを得て、中高生にも分かるようにかみ砕いた声明を20年のこどもの日に合わせてブログで発信した。その後、絵本にすることを思いつき、漢字にルビを振り、子どもたちへの感謝の言葉を添えた。感想や絵を自由にかけるよう、各ページには書き込みスペースもある。

 長瀬准教授は「子どもたちが自分の権利を知り、大人も子どもの権利を守るためのヒントを見つけてくれたら」と語る。

 購入の問い合わせ先は「ひだまり舎」(050・3707・2328)。長瀬准教授のホームページ「ちいさなとびら」でも購入方法を紹介している。売り上げの一部は児童福祉分野などで子どもの権利を守る活動に取り組む団体に寄付される。A4判32ページで1100円(税込み)。【石川将来】