新型コロナウイルスの予防・治療薬として抗体医薬品の開発を目指す福島県立医大は、新型コロナ回復者の血液から、ウイルス感染を防ぐ「中和抗体」と、抗体を生み出す遺伝子の取得に成功したと発表した。臨床試験に向けた研究を展開するほか、抗体を含む衛生用品の開発も進める。

 同大では、人の粘膜に多く存在し、目や鼻などからの感染を防ぐ抗体に着目。これまで約90人の回復者から採血し、抗体の取得に成功した。変異株への反応は確認中という。

 実際に医薬品が使われるまでには少なくとも10年程度かかるといい、開発を進める同大の高木基樹教授は「早く人に投与して効果を検証したい」とした。抗体の大量製造を外部に委託するほか、抗体を含むスプレーやマスクの開発に取り組み、今夏にも研究用の試作品を作る。

 同大は被災地での新産業集積を目指す「福島イノベーション・コースト構想」に参画しており、竹之下誠一学長は「今年10月ごろまでに浜通りに拠点を作り、企業と一緒に抗体医薬品の研究に取り組みたい」との考えも示した。【寺町六花】