日本維新の会が23日告示の東京都議選を前にアピールに苦心している。本拠地の大阪では厚い支持があるが、都議会(定数127)では1議席だけ。小池百合子都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」と自民党の対決構図に埋没気味で、立候補予定者の辞退も相次ぐ。政治家を引退した橋下徹前大阪市長は「政治的中立」を理由に前面に立たず、知名度にも頼れない状況だ。

 維新所属の大阪府議と大阪市議の計十数人が19日から、都議選の応援に本格投入された。取りまとめ役の久谷真敬・府議団総務会長は「2年前の大阪都構想の住民投票では東京から大勢が応援に来てくれた」と恩返しを強調する。

 維新は4年前の都議選で34人を擁立したが当選は2人。都議選を見据え、3月の党大会を初めて都内で開いた。「築地市場の豊洲移転推進」を公約に盛り込み、態度をなかなか決めない小池氏への対決姿勢を打ち出した。

 とはいえ毎日新聞の世論調査(5月末)では投票予定先で都民ファーストは11%、維新は0.5%未満。党都総支部関係者は「都民ファーストとは改革の方向性が同じ。票の3〜4割が流れるだろう」。擁立を予定した新人3人が出馬を辞退したほか、府議から「我々はお金がない中でも応援に駆けつけているのに、国会議員は地元で活動している」と不満が漏れるなど組織も揺らいでいる。

 4日にあった維新都総支部の決起大会には支持者約1000人が集まったが、第2部に橋下氏の講演を設定した効果だった。松井一郎代表(大阪府知事)は姿を見せなかった。その橋下氏は5月末、党政策顧問を辞任。自身の講演会のポスターを維新の都議選候補予定者が選挙戦に利用するのを嫌ったのも一因だ。それでも、ある陣営は橋下氏の講演会のポスターを許可を得ず街宣用の車に張った。

 おおさか維新の会の名で戦った2016年参院選では、東京では6議席に割り込めなかった。ある国会議員秘書は「東京では『維新ってまだあるの?』という反応だ」と嘆く。【念佛明奈】