天皇陛下の退位される日が2019年4月30日と決まったことで、今後は関連行事をにらみながらの政権運営となる。安倍晋三首相が目指す憲法改正議論にも影響しそうだ。

 自民党は来年の通常国会中に改憲を発議し、発議から60〜180日に行われる国民投票も年内に行うスケジュールを描く。来夏ごろには新しい元号が発表される見通しで、党内では「新元号公表で国民が新時代の到来を感じれば、改憲を問う国民投票が成功しやすくなる」と期待する声がある。少なくとも来年の臨時国会で発議し、19年初頭までに国民投票を行いたいのが本音だ。

 ただ与野党の調整が難航すればスケジュールの組み立ては難しくなる。発議が19年の通常国会にずれ込めば、退位日の前後に与野党対決が深まる可能性もあり、国民の反発を招きかねない。

 政権は退位の前に発議し、19年夏の参院選と国民投票を同時実施することも選択肢には入れている。しかし、この場合、退位と即位の行事の合間に国民投票が行われることになる。

 自民党内には参院選と同時実施すること自体に「改憲の是非が与野党の選挙戦に左右されかねない」などの懸念もある。一方で、参院選後の発議となれば、選挙結果次第では改憲勢力が参院で発議に必要な3分の2以上の議席を確保できない可能性もある。

 19年秋には新天皇の即位の礼が行われる。1990年11月に実施された今の陛下の即位の礼では、当時の海部俊樹首相らが計100カ国以上の代表と会談するなど「即位外交」に追われた。19年は主要20カ国・地域(G20)首脳会議やアフリカ開発会議(TICAD)が日本で開催され、9月20日に開幕するラグビーのワールドカップ(W杯)にも要人来日が予想される。【田中裕之】