安倍晋三首相は14日、北朝鮮による拉致被害者の家族と首相官邸で面会した。被害者の有本恵子さん(行方不明時23歳)の母嘉代子さんが亡くなったことに関し、首相は「ご家族の多くが鬼籍に入り、一日も早くこの問題を解決しなければとの思いを新たにした」と述べた。

 面会の中で、家族会代表で田口八重子さん(同22歳)の兄の飯塚繁雄さん(81)は「今、北朝鮮は相当制裁で悩んでいる。これもチャンスかなと私たちは思う」と首相に伝え、被害者全員の即時一括帰国に向けた取り組みの継続を求めた。

 北朝鮮に関しては、核問題を巡る対米交渉が進展せず制裁も長期化していることで「日本との交渉に活路を見いだそうとする可能性がある」(政府関係者)との見方もある。首相は「解決には国際的な連携が不可欠だが(拉致は)基本的に日本の問題であり、日本が主体的に解決しなければならない」とし、「あらゆるチャンスを逃すことなく問題解決に全力を尽くす」と強調した。【宮原健太】