【ロンドン新井隆一】陸上の世界選手権は第8日の11日、ロンドン競技場で女子100メートル障害が行われ、初出場の木村文子(エディオン)は13秒15で2組4着となり、この種目で日本勢初となる準決勝進出を果たした。準決勝は同日夜(日本時間12日未明)に行われる。

 日本勢初の準決勝進出を果たした女子100メートル障害の木村は「粘りきりました」と笑顔がはじけた。五輪を含めても2000年シドニー五輪の金沢イボンヌ以来2人目の準決勝の切符だった。

 8人いた同組の今季ベストで木村は下から2番目。苦戦が予想されたが滑らかに加速し、課題のラスト3台もまとめた。予選落ちの5着とわずか0秒02差。「何番? 何番?」とすぐに順位が分からないほどの接戦を制した。

 昨夏は2大会連続の五輪出場を逃した。「体は動くけど、能力でここまでかな、自分で区切りをつけた方がいいかな、と考えた時があった」と現役引退も頭をよぎった。だが、周囲のトレーナーやコーチが「次の練習は?」「来年はロンドン(の世界選手権)だね」と前向きな言葉を掛けてくれた。「『やめます』という話ができなかった」と苦笑いの木村。「自分はスプリントもパワーもテクニックもないと言われてきた。でも唯一、周りの人が自分の能力を自分以上に信じてくれているのが一番の強み」。周囲への感謝が日本女子ハードルの第一人者を再び前に向かせた。

 五輪も合わせると5年ぶりに帰ってきた世界の大舞台。今年で29歳となったベテランが存在感を示した。