〇仙台育英(宮城)15−3滝川西(北北海道)●(12日・甲子園、1回戦)

 試合終盤、大量リードを許した滝川西を励ます大観衆の手拍子が甲子園を包んだ。それを遊撃で聞いた仙台育英の主将・西巻は「何だかわくわくして、しびれました」。自信と不思議な高揚感を持って受け止めていた。

 二回までに山田と長谷川の2本塁打で5得点。ボール球に手を出さず、低めをしっかり見極める約束事が徹底でき、序盤での攻略に成功した。

 ただ西巻が手応えを感じたのはここからだ。五回は四球と敵失による走者を2死から8番・斎藤が左前打で還して2得点。三、四回と無得点に終わっていただけに「相手のミスを突いて単打でつないで得点できた」。この追加点が起爆剤となり、五回以降毎回得点を挙げた。

 点差があっても攻め続けるのは今春のセンバツの苦い経験があるからだ。1回戦の福井工大福井戦。2点リードしながら終盤に失点を重ね逆転負けした。「後半に強くなろう」。それがこの春からのテーマになった。

 準優勝だった一昨年以来の夏。当時、1年生で全試合に途中出場した西巻は明豊(大分)との1回戦をよく覚えている。大会新となる10二塁打を含む20安打で快勝。「打って打って(点を)取って」チームは勢いづいた。

 佐々木監督は言う。「一丸となった時、計り知れないことが起きるのが甲子園。それが起きることに懸けたい」。自分たちの課題をかみ砕き、1回戦で出し切るあたりは、何かを起こす可能性を十分に感じさせる。【村田隆和】