【ロンドン新井隆一】陸上の世界選手権は第9日の12日、ロンドン競技場で行われ、男子400メートルリレー予選で昨夏のリオデジャネイロ五輪銀メダルの日本(多田修平、飯塚翔太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥)は38秒21で1組3着となり、2大会ぶりに決勝に進んだ。決勝は同日午後9時50分(日本時間13日午前5時50分)に行われる。

 日本は生命線のバトンパスで前走者と次走者の差が詰まる細かなミスはあったものの、着実に決勝に進んだ。

 日本が採用するのはバトンを受け取る側が手のひらを下に向け、渡す側は下から上へバトンを入れる「アンダーハンドパス」。走る姿勢に近く、スピードに乗った状態で渡せるのが最大の特長だ。しかし、予選では先頭争いをした第3走者の桐生とアンカーのケンブリッジの受け渡しなどでタイミングがずれ、ロスとなった。2人は異口同音に「バトンが詰まった」と課題を挙げた。

 さらに、リレー初出場の多田も「スタートがあまり合わなくて、走りも全体的にいまいちだった」。銀メダルを獲得したリオ五輪は第1走者で山県亮太(セイコーホールディングス)が圧倒的なスタートダッシュを見せたが、多田は表情にも硬さがあった。

 とはいえ、日本のリレーは「アンダーハンドパス」を主軸に、失敗と成功、試行錯誤を繰り返し、後世に継承して研ぎ澄ましてきた伝統技術でもある。21歳の多田、故障で欠場した18歳のサニブラウン・ハキーム(東京陸協)が新たにメンバー入りしたチームにとっても、細かいミスが出るのは織り込み済み。修正を繰り返し、大舞台の経験を積むことは、3年後の東京五輪で金メダルを目指す上でも必ず通らなければならない道だ。

 細かなミスがあっても着順で決勝に進めたのは、今大会の個人種目で100メートル、200メートルの短距離陣全員が準決勝以上に進出したように個々の走力が高まり、全体の地力が上がっているから。予選タイムは全体6位の38秒21で、第一関門を突破した。【新井隆一】