○天理6−0大垣日大●(13日・甲子園、2回戦)

 ライナー性の打球がバックスクリーン右へ飛び込む。「今までで一番いい打球だった」と天理の神野。二回に放った先制アーチは4番らしく、投手攻略のお手本のようだった。2ボールからの3球目。137キロの直球を基本に忠実にはじき返した打撃には中村監督の教えが生かされている。

 スイングのトップの位置をしっかり作る▽最短距離でバットを出す▽軸足を回す−−。強打者として1986年夏に天理の優勝に貢献した元プロ野球・阪神の指揮官から教わった打撃での三つのポイントを意識した。さらに自らスパイスを加えた。一回に1〜3番が直球に差し込まれてフライアウトになったのを見て「少し始動を早め、上からしっかりたたく」ことを心掛けた。

 四回の打席は、練習通りのスイングを実行した。「ボール気味の球を打つ練習をしている」と中村監督。そのボール気味の高めの直球をたたいて左翼席へ運んだ。チーム7安打のうち6本が直球を仕留めた。相手のエース・修行から5点を奪い、五回途中で降板させた。

 目の下にホクロがあり、容姿が似ていることからチーム内での愛称は「バレンティン」(ヤクルト)。2年前の夏は1年生で先発出場したが、4打数無安打に終わり、チームも初戦でサヨナラ負けした。直後に就任したのが中村監督。「初めて」という2打席連続本塁打は、自身の雪辱を果たすとともに、指揮官への感謝が込められているようだった。【安田光高】