大相撲秋場所8日目の17日、3人が並走しているとはいえ、優勝争いトップで場所を折り返した大翔丸は「びっくりです」とにんまり。7勝も挙げて中日を終えるのは、入幕10場所目で初めての経験だ。

 変化もある38歳の豪風を相手に、立ち合いでふわっと立ってしまった。「普段は考えないのに考えた」。だが、下がりながらも体を開いて頭を押さえつけ、年齢は一回り上で関脇経験もあるベテランを土俵に転がした。

 1敗を守った一番を「反応は悪くない」と振り返った大翔丸。一方「これまであまり前に出ていない」と今場所の取り口を手放しで喜んではいない。支度部屋で多くの報道陣に囲まれても、笑いながら「もうちょっとしたら、いなくなるでしょ」と優勝争いは無縁と感じている様子。突き押しを武器に「真っすぐバシっと持って行ける」という理想の相撲ができていないことを自覚している。

 大阪市出身ながら高知・明徳義塾中に相撲留学。石川・金沢学院東(現金沢学院)高では、現在は同部屋の先輩である遠藤とともに全国高校総体の団体戦を制した。日大ではアマチュア横綱に輝くなど、エリート街道を歩んできた。

 「勝ち越せば気が楽になる」と語る大翔丸。波に乗れば白星を連ねることもあるのが押し相撲。アマでの実績は十分なだけに、場所を面白くするかもしれない。【吉見裕都】