○西武3−2ソフトバンク●(メットライフ・17日)

 粘りに粘って勝利をつかんだ。延長十回、最後は押し出し四球で4時間近い接戦をものにした西武の辻監督は開口一番、言った。「優勝が決まり、相手には大事な試合ではなかったかもしれないけど、うちには負けられない試合。勝てて良かったよ」

 二回、1死満塁から8番・外崎が、フルカウントから7球ファウルで粘った末に犠飛を打ち上げて先制。この1点を、先発・多和田が毎回のように走者を出しながらも、強気に内角を突く投球で要所を締め、七回まで守り抜く。八回に一度は逆転を許したが、直後に4番・山川がバックスクリーンに同点ソロ。一振りで流れを引き戻して、延長サヨナラ勝ちにつなげた。

 前日、ソフトバンクの胴上げを見せつけられた。目前で胴上げを許すのはここ9年で6度目だが、何度経験しようとも、その屈辱が薄れることはない。だからこそ、多和田が「(相手が)ソフトバンクということもあり、いつも以上に一人一人集中して投げた」と言えば、山川は「どこに負けても悔しいが、ソフトバンクが一番悔しい」。むき出しの敵意が粘りを呼んだ。

 現在リーグ2位。クライマックスシリーズを勝ち抜けば、再びソフトバンクとの勝負が待っている。「昨日胴上げを見て、『次は絶対に優勝したい』と強く思った」と山川。まだ残されている雪辱の機会に、全身全霊を注ぐ覚悟だ。【平本泰章】