◇○巨人6―0阪神●(10日、東京ドーム)

 身長188センチから制球良く繰り出されるスライダーやツーシームの前に、阪神打線は面白いように詰まったり、引っかけたりする。巨人の先発左腕・メルセデスが内野ゴロの山を築き、7回を投げて3安打無失点、無四球。「強気の投球ができた」と攻めの投球を展開した。

 一回、いきなり内野安打と盗塁で2死二塁のピンチを招いたが、4番のマルテを低めのスライダーで投ゴロに打ち取り、リズムに乗った。持ち前のテンポの良い投球は普段通りだったが、課題のスタミナ面では別人のよう。これまでは五、六回になると大抵は球威が落ちた。「続投するか?」と聞かれても、降板を申し出ることが多く、宮本投手総合コーチが「あんなやつは珍しい」と苦笑するほどだった。

 ところが、この試合では、六回を終えたところで「もう1イニング投げるか?」と聞くと、続投を志願。宮本コーチも「驚いた」。球威は全く落ちず、七回も3人で切って取ってベンチに帰って来た。

 優勝争いが佳境だった9月はほとんど2軍暮らし。しかし、同僚やスタッフの励ましを受けて「ポジティブにできた」とじっくり体作りに取り組んだ成果が、CSで発揮された。

 原監督も「今季見てきた中で一番の投球だったね」と絶賛。ドミニカ共和国から2017年に来日し、昨季にようやく支配下登録を勝ち取った苦労人が、CSで文句のつけようのない快投を見せた。【岸本悠】