◇○巨人6―0阪神●(10日、東京ドーム)

 五回1死一、二塁。打席に巨人・丸を迎えた、初球だった。マウンド上の阪神・島本が投球動作に入る直前に二塁走者の亀井がスタートを切り、一塁走者の坂本勇も呼応する。重盗成功。捕手の梅野が送球すらできない、鮮やかな奇襲だった。

 「どの塁にいても常に(タイミングを)計っている」と亀井。1死から二塁打を放つと、入念に島本のモーションを確認した。坂本勇の四球で好機が広がり、相手バッテリーの集中力は次打者の丸へ向く。「相手も面食らったのではないかな」と鈴木外野守備走塁コーチ。見事に隙(すき)を突き、丸の左犠飛をお膳立てした。

 37歳の亀井は言う。「短期決戦は失敗を恐れずに行くことが大事」。試合の流れを引き寄せる大胆な攻撃も、セ・リーグ王者の強さを支えている。【細谷拓海】