米中は21日の外交・安全保障に関するハイレベル対話で、協力して北朝鮮問題に対処する糸口を見いだせるのか。ブッシュ父政権で大統領特別補佐官としてアジア政策を担当したカーネギー国際平和財団のダグラス・パール副会長に聞いた。【ワシントン会川晴之、福岡静哉】

 −−トランプ米大統領は中国に、北朝鮮への圧力強化を期待している。

 中国の習近平国家主席は4月のトランプ氏との首脳会談で、中国の北朝鮮への影響力について「政治面で影響力はない。経済面では多くの影響力がある」と述べたと聞いた。トランプ氏はその行使が不十分と考え、習氏に電話で何度も圧力強化を要求した。習氏はそれにいら立っているようだ。

 −−マティス国防長官は今月初旬の演説で、台湾への武器売却継続を強調した。

 北朝鮮への圧力を強化すべきだとのメッセージだ。21日の会合後、仮にトランプ氏が北朝鮮問題で中国が十分な役割を果たすことはないと結論づけたらどうなるか。中国が権益を主張する南シナ海の人工島周辺に米軍が艦船を派遣する「航行の自由」作戦だけでなく、台湾へのさらなる武器売却や貿易不均衡問題などあらゆる方法で対抗し始めるだろう。米中関係が悪化する可能性がある。

 −−どうすれば関係悪化を防ぎ、北朝鮮問題で協力できるのか。

 トランプ氏は北朝鮮問題を差し迫った課題と考え、前のめりでいすぎる。私はそうは考えない。米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発にはまだ数年かかる。(南北対話の再開に前向きな)韓国の文在寅(ムンジェイン)新大統領との協議も必要だ。(北朝鮮が非核化の意思を示さない限り対話に応じない「戦略的忍耐」政策を取った)オバマ前政権の手法の問題点は看過できないが、解決を急ぐべきではない。北朝鮮問題はますます複雑になっており極めて難しいからだ。