【ワシントン会川晴之】北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ中、米軍は24時間態勢で北朝鮮のミサイル発射地点の監視を続けているとみられる。無人偵察機「グローバルホーク」などで発射前から動向を把握、日韓両国もこうした情報を共有している模様だ。発射後は早期警戒衛星やイージス艦、日本国内に設置したレーダーで追尾し軌道を予測、迎撃態勢を整えている。

 北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12」が日本列島上空を飛行した15日朝、安倍晋三首相は首相官邸で「今回もミサイル発射直後から完全に把握し万全の態勢をとっていた」と強調。菅義偉官房長官も8月29日のミサイル発射時「常日ごろから日米、日米韓を中心に緊密な連携をとりながら対応をしている」と述べている。首相は、ミサイル発射前夜は公邸に宿泊する例も多く、事前に状況を掌握していた可能性が高い。

 北朝鮮のミサイル情報に詳しい米ウェブ誌「ディプロマット」のアンキット・パンダ氏は「米情報機関は数週間前から24時間態勢で監視を続けていた」と指摘。7月28日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」を発射した際、少なくとも4時間前に覚知していた、と紹介している。

 韓国政府高官の発言も、こうした見方を裏付ける。大統領府の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官は2度目のICBM発射後の7月30日、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は発射2日前に報告を受けていた」と述べ、事前に発射場所を含めて察知していたと強調した。

 【ことば】グローバルホーク

 米ノースロップ・グラマンが製造する大型無人偵察機。全幅約40メートル、全長約14メートル。ジェットエンジン1基を積む。画像情報収集用の電子・光学センサー、赤外線センサーなど多数のセンサーを搭載、長時間、高高度から偵察・情報収集ができるのが特徴。米軍横田基地に暫定配備され、北朝鮮のほか東・南シナ海で中国の軍事動向を監視する活動に従事しているとみられる。