【ワシントン会川晴之】トランプ大統領に「核のボタン」を委ねるのは危険だ−−。米上院外交委員会で14日公聴会が開かれ、元将軍や専門家から、トランプ氏が核兵器使用の最終権限を握る現状を憂慮する声が相次いだ。トランプ政権が、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮に対する軍事作戦の可能性を排除しない中、議会から慎重な対応を求める声があがった形だ。

 米メディアによると、核使用の大統領権限が議会で取り上げられたのは41年ぶり。

 公聴会は与党・共和党の重鎮ながら、トランプ氏を「第三次世界大戦への道を歩んでいる」と激しく批判するコーカー委員長が呼びかけた。ロバート・ケーラー元戦略軍司令官(退役空軍大将)など3人の識者が証言。ケーラー元司令官は「矛盾した発信は信頼を損ねたり、混乱を招いたりする」と述べたほか、「適切な手続きを経ていない違法な命令に対し、軍は疑問を差し挟んだり、拒否したりできる」と紹介した。

 民主党のエド・マーキー上院議員らは、トランプ政権発足後に、大統領の核使用の権限を議会に委ねる新法を提出している。この日の公聴会に出席したマーキー氏は「多くの米国民は、トランプ氏がツイートをするように核のボタンを押すと考えている」と話した。

 核使用の権限をめぐっては、ウォーターゲート事件で退任間際のニクソン政権時代、シュレシンジャー国防長官が「大統領から軍事行動の命令が出たら、実行前に必ず私に連絡するように」と、軍制服組トップに命令した逸話がある。スタンフォード大のスコット・サガン教授は「現在は、まさに当時と同じ状況にある」と指摘している。