夏の甲子園は大会第6日の13日、東東京代表の二松学舎大付が第3試合で明桜(秋田)と対戦した。計19安打の猛攻で14−2と圧倒し、初戦を突破した。投げては先発のエース、市川睦(3年)と田中彗(同)の左右両投手の継投で、明桜打線を7安打に抑えた。初出場だった前回2014年に並ぶ16強入りを果たし、アルプススタンドに詰めかけた応援団からナインに大きな拍手が送られた。二松学舎大付は大会第10日の17日第2試合(午前10時半開始)でベスト8入りを懸け、三本松(香川)と対戦する。【稲垣衆史、井口彩】

 ▽2回戦

二松学舎大付 030113321=14

明桜     000001001=2

 今夏の地方大会のチーム打率が出場49校、トップを誇る二松学舎大付。その強力打線を序盤から4万3000人の観客に見せつけた。

 二回1死二塁、東東京大会で2試合連続本塁打を放った6番・秋広涼太(3年)が甲子園でも勝負強さを発揮し、右前へ先制の適時打。さらに市川、永野志弥(同)の三塁打も飛び出し、この回一挙に3点。永野の父和規さん(54)は「守備と足でかき回すタイプだが、大舞台でよく打った」。スクールカラーの緑色で埋まった三塁側アルプス席は早くも歓声に沸いた。

 5−0で迎えた六回、先頭の市川が3打席連続となる長打を放つなど4長短打の猛攻で3点を追加。1点を返された後の七回には内野安打に犠打と死球を絡めて2死一、二塁とし、1番・堀川尚希(2年)が中堅手の頭上を越える適時三塁打で2点を加えた。甲子園へ向かう前に「大丈夫。やるからにはナンバーワンになってくる」と宣言された母歌子さん(50)は、息子の初安打に「ようやく打ててほっとした。このまま勢いづいてほしい」と期待した。

 13点リードで迎えた九回の守り。本塁打で1点を返されたものの、最後の打者を三塁ゴロに打ち取って試合終了。8回を6安打1失点に抑え、投打に活躍した市川の母久美さん(49)は「春先から意識が変わり、体重を増やすために必死になっていた。みんなが守ってくれているので安心して投げられるのだと思う」と喜んだ。

 また、スタンドで観戦していた1982年のセンバツ準優勝時の主将、南雲孝之さん(53)は後輩の頼もしいプレーに「1試合ずつ成長しており、打線は文句がない。生半可なことではないが、頂点を目指してほしい」とエールを送った。

 ◇4歳の応援部員

 ○…二松学舎大付のアルプス席では、4歳の小さな応援部員が先頭に立ち、大きな身ぶりでエールを送った=写真。選手とおそろいの特注ユニホームを着て応援歌を歌うのは芳野陸ちゃん。2年前に二松学舎大付の試合を見て大好きになり、今春の都大会から一緒に応援するようになった。高校生になったら同校で野球をしたいそう。応援団長の岡田理玖さん(3年)は「陸ちゃんは部の元気の源であり癒やし。彼がいることで選手も頑張ってくれる」と頼れる応援部員の肩をたたいた。

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 ■白球譜

 ◇復活のフルスイング 二松学舎大付(3年)・永井敦士左翼手

 自分もチームも待ち望んだ復活を印象付ける試合だった。九回1死一、三塁で、変化球を左前にはじき返し適時打とした。二塁打を含む5打数5安打1打点の活躍に「4番としてチャンスで打てず、迷惑をかけてきた。まだ芯で捉え切れず満足できないが、初球からフルスイングできてよかった」。試合後、ほっとした表情を見せた。

 高校通算本塁打47本の強打者ながら、東東京大会は調子が上向かなかった。チーム打率4割3分5厘の中、主砲の打率は3割3分3厘にとどまり、「長打を狙いすぎて体が開いてしまった」。

 甲子園入り後の練習で、市原勝人監督に声を掛けられた。「グズグズするな。表情に出ているぞ。感情をとっぱらって大きくフルスイングすればいい」。つきっきりでフォームの確認に付き合ってもらった。「空振りしてもいいから自分のスイングをしよう」。心が少し軽くなった。

 そして迎えたこの日の初戦。4万人を超す大観衆の前で「結果に左右されず、楽しんでほしい」とアドバイスした市原監督の期待に見事に応えた。「憧れ続けた甲子園のグラウンド。悔いが残らないようにプラスに考え、次の試合も楽しみたい」。主砲がいよいよ本領を発揮し始めた。【稲垣衆史】

〔都内版〕