上空をトンビが舞い、きらきらと輝く湖面を貸しボートがゆっくりと横切っていく。文字通り、高滝湖畔にたたずみ、水と豊かな緑に包まれた市立美術館だ。学芸員の渡辺文菜さん(31)は「目だけでなく、全身で楽しんでください」と話す。

 常設作品が興味深い。米国の現代アーティスト、ビト・アコンチは、背丈をはるかに超えるポリカーボネート製のチューブ約700本を階段や屋上に林立させた。来館者はその隙間(すきま)を、まるで草原をかき分けるように進む。KOSUGE1−16は肺胞をイメージさせるオブジェで深呼吸を促す。

 外には芝生が広がり、揚水機を模した湖畔の展望台に上がると吹き抜ける風が全身に感じられる。ヒップホップ文化がテーマの昨年の企画展では、展示室がライブハウスに様変わりした。見ることだけにとどまらない、まさに全身で楽しめる仕掛けにあふれている。

 同市に自宅とアトリエを構えた銅版画家、深沢幸雄の作品も常設展示し、他の3展示室で主に現代アートの企画展を開く。24日から始まる「子ども絵画展」では、公募した6000点から北川フラム館長らが300点を選んだ。それを2メートルを超えるおもちゃの兵隊たちが見守り、これもまた、ひと味違う絵画展になりそう。【平林由梨】

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 千葉県市原市不入75の1、0436・98・1525。小湊鉄道高滝駅から徒歩20分。または東京駅などから高速バスで鶴舞バスターミナル、後タクシー約5分。

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 ◇プレゼント

 招待券を5組10人に。常設展示も観覧できる。はがきに〒住所、氏名、「市原湖畔美術館」を明記し〒100−8051、毎日新聞「地方部美術館」係へ。23日必着。発送をもって当選発表に代えます。