長崎ではちゃんぽんなどの中華料理でよく使われているキクラゲ。一見地味な食材だが、実は驚くべき栄養価を秘めている。カルシウムは牛乳の2倍、鉄分はレバーの3倍、食物繊維はキャベツの8倍と、その栄養価の高さから「食べる漢方」とも呼ばれている。

 そのキクラゲは98%が中国などの外国産。しかし、時津町には純国産にこだわって育てる夫婦がいる。栽培を初めて5年の川原貴光さん(48)、規代さん(54)だ。

 始めたきっかけは、柔道をしていた息子にヘルシーで栄養価が高い、かつ安心・安全なものを食べさせたいと考えたから。夫の貴光さんがハウスを自作し、山から湧き水を引っ張ってくるなど、こだわって育てたキクラゲのうわさはたちまち広まり、今や町内の新たなお土産作りにも活用されている。

 しかし、一方で課題もある。それは生キクラゲは保存期間が1週間と短いことだ。そこで、地元の製薬会社と協力して「きくらげパウダー」を作り、保存期間は2年に伸びた。

 パウダー化した事によって、さまざまな料理に入れられるようになり、クッキーなどのお菓子に混ぜれば、野菜やキノコ嫌いの子どもにも簡単に栄養をとらせることができる。実際に町内のパン屋では、「きくらげパウダー」を混ぜた食パンが販売されており、パンが主食の外国人からも好評だ。

 さらに人だけではなくペットも健康に!? 地味だけどすごいキクラゲの魅力と、それを引き出す川原さん夫婦の挑戦を追った!<報道制作部 住吉光>