夏は汗をよくかくせいか、皮膚トラブルを起こす子どもが多い。肌にブツブツできても、「日焼けか虫刺されだろう」と思って、ホームケアのみで対処してしまう人も多いだろう。ところが夏には、ちょっと厄介な肌トラブルから始まる夏風邪「手足口病」がある。今年は特に大流行している「手足口病」だが、その実態をよく分からないママもいるはず。そこで「手足口病」とはどんな病気なのか…医学博士の白畑敦先生に聞いた。

●実は痛みがない?手足口病

手足口病とは、手足と口がどうなってしまう病気なのだろうか。

「手足口病とは、生後半年から4〜5歳までの乳幼児に多い、手足と口に水泡ができる夏風邪の一種です。腸のなかにいるコクサッキーウィルスA群やエンテロウィルスなどによって引き起こされます。この病気の特徴は、手の平、足の裏、口の中に水泡ができること。腕や首などに湿疹が出てくる病気はいろいろありますが、手の平や足の裏に出来るものっていうのは、あまりないんですよ。この辺に出ていたら手足口病を疑ったほうがいいですね」(白畑氏 以下同)

手の平や足の裏の水泡は、米粒大ぐらいの大きさで、子どもも痛みを訴えない場合が多いそう。どのように治療を行うのか。

「病院に行くと『手足口病ですね』と水泡を見て言われるかもしれませんが、結果的には夏風邪という判断をされます。手足口病は熱が出ないことも多く、出てもせいぜい37〜38度ぐらい。比較的症状が軽く、2〜3日で熱が下がることが多い病気です。手足の水泡は痛みも少ないですが、口のなかだけは、ただれたりしてひどく痛む時があります。病気自体をすぐに治してくれる薬はありませんが、口のなかの痛みを訴えてきたら、口内炎をやわらげる薬が処方されます。口のなかが痛むと、水分を摂ることを嫌がったり、食欲が落ちたりすることがあるので、そんな時はスポーツドリンクを与えたり、アイス、ゼリー、豆腐などひんやりして柔らかいもの、するっと溶ける好きなものを好きなだけ食べさせてあげてください」


●手足口病の予防法は?

それでは、手足口病の予防方法は?

「手足口病は、水泡からうつることはなく、くしゃみや咳などの飛沫感染がおもな感染源です。このウィルスは、便に排泄されたウィルスが手について、それが口から入ってうつることもあります。おむつ替えの後は薬用石鹸などでよく手を洗ってください。あとは、普通の風邪と同じで、手洗いとうがいを家族で徹底して行うこと。普段から体調管理をして、“子どもが疲れているな”と感じた時は、無理して幼稚園や学校に行かせず、お休みしてもいいと思います。感染してしまった後は、家族にうつらないように、なるべく隔離するしかありません」

【予防法】
・飛沫感染を防ぐグッズ(除菌スプレーやマスク)を使う
・手洗い、うがいをする
・オムツを扱ったら必ずよく手を洗う

手足口病の流行には地域差もあるので、母としては、「流行っているかどうか」住まいや習い事など周辺の情報を得ることも心がけておきたい。夏休みは親子で遊びに出掛けることも多いが、帰ったら必ず手洗いやうがいを! まずは予防から始めてみよう。

(取材・文/谷亜ヒロコ)