厚生労働省東京労働局は、都内各公共職業安定所が受理した2020年(令和2)3月の中学校・高等学校・短大(高専を含む)・大学(大学院)・専修学校等卒業者の学卒求人の初任賃金状況を取りまとめて発表しました。

学歴別求人初任給

2020年(令和2)の学卒者の求人初任給は、大学卒、短大卒、専修卒、高校卒と、すべてで前年より増加となっています。

〇大学卒の求人初任給 210,000円(前年比1.0%増)

最も高い求人初任給

 ・産業別:「建設業」217,000円(前年比1.3%減)

 ・職業別:「専門・技術」212,100円(0.3%増)

最も低い求人初任給

 ・産業別:「金融業・保険業」185,800円(前年比0.9%増)

 ・職業別:「事務」204,200円(前年比0.6%増)

〇短大卒の求人初任給 195,000 円(前年比 0.5%増)

最も高い求人初任給

 ・産業別:「不動産業・物品賃貸業」207,000円(前年比1.0%増)

 ・職業別:「専門・技術」198,000円(前年比1.5%増)

最も低い求人初任給

 ・産業別:「金融業・保険業」184,200円(前年比同)

 ・職業別:「事務・販売」190,000円(前年比同)

〇専修卒の求人初任給 195,000円(前年比0.8%増)

最も高い求人初任給

 ・産業別:「不動産・物品賃貸業」210,000円(前年比同)

 ・職業別:「専門・技術」198,000円(同1.5%増加)

最も低い求人初任給

 ・産業別:「運輸業・郵便業」186,000円(同 2.1%減)

 ・職業別:「事務・販売」190,000円(事務:2.2%増、販売:前年比同)

〇高校卒の求人初任給 178,000円(前年比1.7%増)

最も高い求人初任給

 ・産業別:「生活関連サービス・娯楽業」199,000円(前年比8.9%増)

 ・職業別:「専門・技術」180,000円(前年比同)

最も低い求人初任給

 ・産業別:「教育・学習支援」165,000円(前年比2.9%減)

 ・職業別:「事務」173,200円(前年比1.9%増)

各学歴による格差

次に、各学歴の産業計を100とした産業別求人初任給の格差をみていきましょう。

    (最も高い産業)         (最も低い産業)

大学卒  建設業103.4            金融・保険業88.5

短大卒  不動産・物品賃貸業106.2      金融・保険業94.5

専修卒  不動産・物品賃貸業107.7      運輸業・郵便業95.4

高校卒  生活関連サービス業・娯楽業111.8  教育・学習支援92.7

格差が19.1ポイントと最も開いたのは、高校卒の「生活関連サービス業・娯楽業」と「教育・学習支援」の求人初任給です。人手不足が深刻な産業ほど、前年よりも初任給を高く設定して募集していることがみてとれます。

続いて、各学歴の製造業計を 100 とした製造業内の業種別求人初任給格差をみてみましょう。

大学卒では「鉄鋼」が101.9と最も高く、低いのは「繊維関係」の89.3、短大卒では「鉄鋼」が105.8、「繊維関係」が94.7、専修卒では「金属」が109.1、「繊維関係」が96.3、高校卒では「窯業・土石」「非鉄金属」が101.2、「繊維関係」が95.7です。

製造業の中では、「繊維関係」がすべて最も低いという結果になりました。

また、1,000 人以上の事業所の求人初任給を 100 とした事業所規模別求人初任給格差では、短大卒で、500〜999人の事業所が1,000人以上の事業所の求人初任給を下回ったものの、大学卒、専修卒、高校卒では、1,000 人以上の事業所の求人初任給を上回っています。

まとめ

この新規学校卒業者の求人初任給調査結果は、学卒関係の労働市場を知る基礎資料の一つとなりますので、人事、総務、採用担当者は、新規学卒者の産業別、職業別の初任給水準を、しっかりと押さえておく必要がありそうです。