前法相の河合克之衆院議員と河合案里参院議員が、夫婦揃って公職選挙法違反で逮捕され、地元・広島の首長や議員が、次々と「金をもらった」と認めての告白や辞任するというドミノ現象が起きています。オトナの教養として、公職選挙法に違反する行為を、改めて確認しておきましょう。

94人に総額2,570万円の買収疑惑

新聞やテレビの報道によると、現金提供先は94人で総額2,570万円が渡ったとされています。しかも、自民党本部から、河合陣営に選挙資金1億5,000万円(うち、1億2,000万円が政党交付金)が渡り、国民の税金が買収資金の原資となった疑いもあります。

しかも、買収劇の舞台となった2019年7月の参議院選広島選挙区は、自民党が2議席確保を目指して、自民党広島県連の意向を無視して、現職に加え新人の河合案里を官邸主導で強引に擁立したという経緯がありました。

自民党本部からの選挙資金は、落選した現職には1,500万円、当選した河合案里陣営には1億5,000万円と実に10倍もの差があり、官邸のなりふり構わぬ強引な対応には、自民党内部からも批判の声があがっています。

公職選挙法で定められているNG行為

公職選挙法違反の中で、最も耳にする機会が多いのは、「買収などの行為」によるものでしょう。公正な選挙を行うために、公職選挙法によって、細かく禁止事項が定められています。

主なものは、買収および利害誘導罪(公職選挙法221条)、多数人買収および多数人利害誘導罪(同222条)、飲食物を提供する行為(同139条)、あいさつ状を出す行為(同147条)、戸別訪問(同138条)、寄付(同199条)、有料広告を出すこと(同152条)、選挙の自由を妨害する行為(同225条)などです。

もっとも、選挙、あるいは政治活動には、それなりのお金がかかるものです。そのため、政治活動が公平に行われるように、政治団体の届出や、政治団体の政治資金収支の公開、政治団体、公職の候補者に政治資金の授受について、政治資金規正法に細かく盛り込まれています。

しかし、政治資金規正法はザル法といわれ、抜け道だらけという批判があります。抜け道の範囲内であれば、河合夫妻のケースも逮捕されることはなかったのでしょうが、それを逸脱している疑いが濃厚となっており、続報に注目です。

政治資金収支報告書へ記載が必要

河合夫妻は、「陣中見舞い」や「当選祝い」として現金を配ったと、違法ではないと主張しているようです。「陣中見舞い」や「当選祝い」は、一個人から一候補者への寄付とみなされます。違法ではないと主張するなら、政治資金収支報告書にちゃんと記載していれば問題はありません。

ところが、「これは秘密だから、報告書に記載する必要はないから」と、ポケットにカネの入った封筒を無理やり押し付けていったと、河合議員からの現金受領を告白した議員も出てきました。

そそもの発端は、ウグイス嬢へ規定を超えた報酬を支払った疑惑です。規制の倍の報酬を支払い、地元では”河合方式“と呼ばれていたそうですから、かなり以前から公職選挙法、政治資金規正法に違反する選挙、政治活動が行われていたようです。


まとめ

選挙の度に、買収疑惑をはじめ、さまざまな選挙違反事件が取りざたされ、選挙とカネの問題はなくなる気配がありません。今後の選挙においても、公正な選挙が行われるかどうかを、注意深く観察する必要がありそうです。

※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁等にご確認ください。