”2021年卒採用の状況はどうなる?アンケート結果からの考察”

2021年卒採用は、新型コロナウイルスによる採用形態の変化や世界経済の不確実性など、様々な影響を受けています。今回は、企業の採用担当者へのアンケート結果をもとに、2021年卒採用状況を考察します。

企業アンケートからみた2021年卒採用状況

株式会社学情は、企業採用担当者に対し2021年卒採用状況のアンケートを実施し、2020年8月24日に発表しました。※出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000560.000013485.html

「選考・内々定の辞退者数」「内々定承諾率」などから今年の傾向をみていきます。

アンケート対象企業の属性

調査対象は全国の企業および団体です。

・上場・製造:130社

・上場・非製造:206社

・非上場・製造:438社

・非上場・非製造:1,496社

調査期間は2020年1月6日から1月31日、WEBによるアンケートを実施し、有効回答数は2,270件です。

アンケート結果内容

アンケート結果からわかったことは、大きく次の3つです。

 1.選考・内々定の辞退者数は昨年より減少した

 2.採用予定人数より多く内々定を出した企業はわずかに減少した

 3.4割近い企業が、楽観視できない状況にある

選考・内々定辞退者の昨年比

売り手市場では内々定承諾後の辞退が問題でしたが、昨年に比べて減少傾向にあることがわかりました。

・選考中の辞退者数(昨年比)

選考中の辞退者が「減った」と回答した企業の29.6%に対し、増えたと回答したのは14.4%。昨年並みと回答した企業は56.0%という結果です。

・内々定辞退者数(昨年比)

内々定辞退者数の結果をみると、「減った」が37.1%で、「増えた」の14.4%の約2.6倍にのぼりました。昨年並みと回答した企業は49.1%と、約半分以下です。

選考・内々定の辞退者数が昨年より減少した背景には、長引くコロナウイルスによる経済の不安定さや、新卒者の不安感などが要因ではないかと推測できます。

採用予定人数より多く内々定を出した企業はわずかに減少

2021年卒の採用予定人数よりも多めに内々定を出す企業は、「101〜120%」15.9%+「121%以上」17.2%にのぼります。しかし、2020年卒の内定出し人数と比較すると、5.2ポイントの減少です。

しかし、「出していない」の回答は、2020年卒よりも13.9ポイント増加しています。新型コロナウイルス感染拡大防止における緊急事態宣言によって、企業説明会が中止になったり、慣れないオンラインでの面接に対応しなければいけなくなったりと採用活動が滞ったことが要因と推測されます。

企業によっては、新型コロナウイルスによる経済活動の低迷や財務状況への不安から、2021年卒者の採用を控えている可能性も否めません。ほかにも、WEB面接だけを頼りに採用するにあたり、面接担当者からみた学生の実態が把握しにくいことも影響しているでしょう。

学生の就職活動状況も活発とはいえず、3月1日以降は新型コロナウイルス感染者数の増大により、面接受験者数が減っていることも要因の1つと推測されます。

4割近い企業が、楽観視できない状況にある

昨年の消費税増税による消費の落ち込みに加え、新型コロナウイルスによる経済活動の縮小など、企業にとっては将来像を組み立てにくい状況です。

「採用予定数に占める内々定承諾数の割合」への質問に対し、「8割以上の内々定承諾を得ている」と回答した企業は37.2%でした。しかし、同社の「2021年卒内々定率調査(8月調査)」では、すでに内々定をもらっている学生は69.1%ですが、うち、53.7%は2社以上の内々定承諾を得ていることがわかりました。

さらに、2社以上の内々定を得た学生のうち2割からは、採用企業側の都合による取消や、オンライン面接のみで本当にその会社に入社してもよいものか不安がある、といった声も聞かれます。

学生側は複数企業からの内定を希望しています。約4割の企業が、採用予定数の8割に至る内々定承諾を得ているものの、学生からいつ辞退の連絡が入るかわからない、というのが実情のようです。

2021年卒採用者へのフォローも必要

2021年卒採用の状況をアンケート結果から考察してきました。消費税増税による消費の落ち込みや新型コロナウイルスによる経済の低迷に加え、コロナ禍における面接形態の変化、学生側の不安感など、企業にとっても学生にとっても楽観視できない状況です。
内定辞退による企業側の損失を防ぐためにも、今まで以上に学生の不安感を解消するようなフォローが求められます。