現金を使わずに支払いができるキャッシュレス決済。最近は街中の飲食店やショップなど、キャッシュレス決済を利用できる店舗が増えてきました。

そもそもキャッシュレス決済とは、どのような決済方法で、どんな種類があるのでしょうか。今回は、キャッシュレス決済に関する基礎知識をテーマに取り上げます。

また事業者と消費者のメリット・デメリットについても見ていきながら、これからのキャッシュレス決済についても考えていきましょう。

キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済は、支払い・受け取りをする際、電子的に行われる決済方法のことです。クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを使用するため、紙幣や硬貨などの現金(キャッシュ)で支払う必要はありません。

キャッシュレス決済の種類は、決済をするタイミングによって3つに分類されます。

① 前払い

電子マネーなどに、事前に現金をチャージする方法です。Suicaや楽天Edy 、WAON、PASMO、nanacoなどの電子マネー(プリペイドタイプ)やプリペイドカード・銀行振込が挙げられます。

② 即時払い

支払いと同時に、リアルタイムで銀行口座(預金残高)から代金が引き落とされます。代表的なものとして、デビットカードや代引きがあります。デビットカードとしては、AlipayやWeChatペイが人気です。

③ 後払い

売買をした後日に、代金が請求されるのが後払いです。ポストペイとも呼ばれており、クレジットカードが該当します。

なお近年はPayPayや楽天ペイ、LINE Payなど、コードを読み取るタイプの決済方法が人気を集めています。

スマートフォン専用アプリで店内に置かれたQRコードを読み取るか、もしくはQRコード・バーコードを表示させて、お店のPOS端末で読み取る決済方法です。

今まではカードリーダーや近距離無線でカードの情報を読み込む方法が一般的でしたが、よりスムーズに決済ができる仕組みが整ってきています。

キャッシュレス決済の現状

キャッシュレス決済は、わたしたちの生活にどれほど根付いているのでしょうか。

消費者庁が実施した「キャッシュレス決済に関する意識調査結果」を手がかりに見ていきましょう。

「あなたはキャッシュレス決済をどの程度利用していますか。」という質問に対して、「よく利用している」と回答した人は、2019年7月には41.6%だったのが、12月には54.2%に増加。「ときどき利用している」と回答した人は、37.4%から30.5%に減少しています。

さらに「あまり利用していない」「全く利用していない」と回答した人も、それぞれ11.8%から8.9%、9.0%から6.2%へと減少しているため、積極的にキャッシュレス決済を利用している人口は増加傾向にあります。

(参照:「キャッシュレス決済に関する意識調査結果」|消費者庁

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/price_measures/pdf/price_measures_200121_0002.pdf)

これは2019年10月から2020年6月に実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」が影響していると考えられます。

「キャッシュレス・ポイント還元事業」は、中小・小規模事業者向けキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援することで、キャッシュレス決済を促進する事業です。2019年10月1日の消費税率引上げにともなって、消費を喚起する対策として打ち出されました。

では、キャッシュレス決済のなかでも、どの方法に人気があるのでしょうか。先ほどの調査によれば、使用頻度の高いキャッシュレス決済として、クレジットカードや交通系以外の交通系以外の電子マネー(WAON、nanaco、楽天Edy等)に票が集まりました。

また消費者は「割引やポイント等の特典が得られること」「支払手続を簡単・迅速に行えること」に、キャッシュレス決済を使用するメリットを感じているようです。

このように現金を持ち歩かなくてもよいだけではなく、キャッシュレス決済には現金払い以上のメリットがあるという認識が広がってきています。

一方で、事業者にとってはキャッシュレス決済を導入するメリットはあります。たとえば会計にかかる時間を短縮することが可能です。忙しい飲食店のピークタイムでも、人手不足対策となります。

また顧客の購買情報を集めて、ビックデータを解析して、消費者行動やニーズを分析することもできます。

キャッシュレス決済の問題点

キャッシュレス決済の利用率が拡大する一方で、問題点も浮かび上がっています。キャッシュレス決済を導入することにデメリットを感じている事業者も少なくなく、それが普及拡大を阻む要因となっている点です。

とくに大きなデメリットとしては、キャッシュレス決済の端末費用(イニシャルコスト)と、決済代行会社に支払う手数料が挙げられます。

また決済代行会社によっては、消費者に手数料や年会費などを請求することもあります。契約・申込みをする手間を含めると、キャッシュレス決済を利用する障壁は、エンドユーザー側にもあるといえるでしょう。

これらの問題を解消するためには、多少コストがかかったとしても、先ほど述べたようなメリットを優先したい人を増やすことです。キャッシュレス決済によって、今よりもビジネスやライフスタイルが向上する認知が広がれば、わたしたちの生活により密着していくことでしょう。

まとめ

今回は、キャッシュレス決済に関する基礎知識を紹介しました。利用者は増えているものの、まだまだ普及はしていません。

今後、さらにキャッシュレス決済の利用率が上がるかは、コスト面での問題をどう乗り切るかがカギを握っています。いずれにしても、現金を使わない暮らしは、今こうしている間にもどんどん現実化しつつあります。