2020年4月から大企業に義務付けられている「同一労働同一賃金」が、2021年4月から中小企業にも適用となるが、中小企業経営者は、「同一労働同一賃金」についてどの程度理解・把握し、どのような対策を講じているのだろうか。

株式会社日本シャルフが、従業員数300名以下の中小企業の経営者を対象に実施した、「同一労働同一賃金」に関する調査によると、「同一の職務内容であれば正規労働者と非正規労働者の待遇を同一にしなければならない」ことを把握しているのは42.6%である。

ところが、「法改正の詳細内容を理解・把握している」は31.0%で、「あまりよく理解・把握できていない」(18.9%)、「全く理解・把握できていない」(7.5%)という結果だ。つまり、ざっくりと理解してはいるものの、法改正の詳細まで理解しているのは3割ほどである。

さらに、根拠法令となる「改正パートタイム・有期雇用労働法と改正労働者派遣法」がいつから施行となるかについては、55.3%の半数以上が「把握」しているようだが、4割以上が2021年4月1日から施行となることを把握していないことも明らかになった。

もし、法律施行後に対応に不備があれば、法令違反となってしまうが、「同一労働同一賃金」施行の4月1日までは、わずか1か月程度しか残されていない。

果たして、対策を講じているのだろうか。「既に対策実施済」は33.1%で、「現在対策実施中」が31.2%だ。しかし、「まだ対策を実施していない」が最多の35.7%というのが実態だ。

まだ対策をしていない理由だが、「対応すると倒産する(30代/男性/東京都)」、「どうすればいいかわからない(40代/男性/神奈川県)」、「現在コロナ禍で一時的に休業している(50代/女性/石川県)」、「他社の動向を参考にして検討したい(60代/男性/兵庫県)」、「同じ労働でもパートと正社員では問題が発生した場合の責任の重さが違うので、そのあたりをどのように判断したらいいかわからない(60代/男性/愛知県)」などだ。

では、どのような方法で対策しようとしているのかいえば、「専門家のアドバイスを受けながら自社で対策する予定(53.9%)」が最多で、次いで「自社で独自に対策する予定(29.7%)」、「専門家に全て依頼して対策する予定(15.4%)が続いている。

改正法に詳しい社会保険労務士などの専門家のアドバイスを受けながらの対策が、やはり安心できると考えている中小企業経営者が多いようだ。