コロナ禍で企業のコスト意識が高まっているが、なかでも企業の大きな負担となっているのが人件費である。

これまでは、企業に自社で人材を育てていく余裕があったが、これからは人件費のコスト圧縮のため、即戦力となる中途採用を求める傾向が高くなるというのが大方の予想だ。そこで株式会社日経HRが、転職エージェントを対象に中途採用に関する調査を実施した。

まず、2021年の中途採用求人件数は「大幅に増えると思う」が2.7%、「少し増えると思う」が50.7%で、合わせると「増える」と見込む転職エージェントは約5割である。

一方、中長期の2021年中途採用求人件数では、「大幅に増えると思う」が17.3%、「少し増えると思う」が56%で、約7割が中途採用求人件数の増加を見通している。

その理由としては、コロナ収束後の景気回復や昨年の採用控えの反動、コロナによる事業の見直し、新規事業進出に伴う人材獲得などが挙げられている。

求人件数が増加するとみられているのは、IT・通信・インターネットが72.5%で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速する中、DXを支援する業界の活況を呈し、求人件数も増えるという予想のようだ。

職種としては、DX推進に関りのあるIT・Web・ネットワークエンジニアが62.5%で最も多く、企画・マーケティングが30%だ。新規事業進出などに関わる人材ニーズの高まりがうかがえる。

こうした調査結果から浮かび上がってきた2021年の転職キーワードは、「DX」が64%、「即戦力」が50.7%、「IT」が44%、「女性管理職」(13.3%)、「M&A」(13.3%)が続き、企業の女性活用推進やM&Aの増加も背景にあるようだ。

一方、求人件数の落ち込みが大きかった業界は、外出自粛や営業時間短縮などの影響を大きく受けた「サービス」、製造業の「機械・メカトロニクス」「電気・電子・半導体」、人員削減が進む「金融」などが挙げられている。

詳しい調査結果は「日経転職版」でも公開している。2021年企業の選考基準は、「厳しくなる」が約7割で、コロナの影響は転職市場にも大きな影響を与えているようだ。