株式会社電通が、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2020年 日本の広告費」を発表したが、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響が色濃く出た結果となった。

総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)で、2011年の東日本大震災以来9年ぶりのマイナス成長となり、1947年の統計開始以来、2番目の下げ幅となった。マイナス幅はリーマン・ショックの影響を受けた2009年に次ぐ2桁減少である。

コロナ禍で各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止、さらに国内外の人の動きが制限され、インバウンド消費もほぼなくなり、外出自粛により外食、交通・レジャーを中心に大きなダメージを受けたが、広告業界もその余波を受けた結果といえる。

一方、外出・移動の自粛により、デリバリーやネット通販、オンライン会議やオンラインイベント・セミナー、リモートワーク、キャッシュレス決済など、デジタルトランスフォーメーションが一気に加速したことで、インターネット広告費はプラス成長となっている。

インターネット広告費は、新聞広告費・雑誌広告費・ラジオ広告費・テレビメディア広告費の、いわゆるマスコミ4媒体の広告費2兆2,536億円(前年比86.4%)に匹敵する、2兆2,290億円(前年比105.9%)まで成長している。

また、東京2020オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、各種イベント・展示会、従来型の広告販促キャンペーンは大幅に減少し、プロモーションメディア広告費1兆6,768億円(前年比75.4%)と、大幅に減少している。

2020年の広告費は、デジタル起点の広告販促活動がさらに進化・成長した1年となり、マスコミ4媒体広告費とプロモーションメディア広告費の減少が大きく、総広告費が減少した結果となった。さて、2021年はどのような展開となるのだろうか。

コロナが収束に向かうのか、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されるか否かが、2021年の広告費に大きく影響することになりそうだ。